西伊豆町安良里地区に残る歴史的な網小屋の再生を目指すワークショップが8月13日、同地区内で開かれた。学生ボランティア団体「国際ボランティア学生協会(IVUSA)」が企画し、学生70人と地域住民11人が参加。かやぶき職人から歴史や技術を学んだ後、簡易的なかやぶき小屋を制作した。
安良里地区はかつてイルカ漁が行われていた地域。安良里漁港の網屋崎に残る網小屋は漁具などを保管するために使われてきた建物で、水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選ばれている。数年前に発生した火災で屋根が焼失し、現在は石造りの壁と土台だけが残る状態となっている。
今回のワークショップは、網小屋再生に向けた最初の取り組みとして企画したもの。地域の夏祭りに合わせて開催し、会場となる旧賀茂幼稚園の園庭に簡易的なかやぶき小屋を設置。祭り当日に住民が見学したり中に入ったりできるようにし、かやぶきに触れる機会を設けた。
第1部は西伊豆町中央公民館で講演を行い、御殿場市を拠点に活動するかやぶき職人の峯正也さんと、南伊豆町在住のかやぶき職人・吉澤裕紀さんが、かやぶきの歴史や技術について解説。第2部は旧賀茂幼稚園の園庭で小屋作りを行い、参加者は作業を分担しながら茅を束ねて屋根に取り付ける工程を体験した。
講演で峯さんは「日本人には真面目に取り組む姿勢や助け合う文化がある」と話し、「かやぶき屋根は能力に関係なくさまざまな人たちが関わって行うことができ、日本の助け合い文化にとても向いている」と伝えた。
今後は東伊豆町稲取の細野高原で茅の刈り取りを行うなど材料確保を進め、2~3年以内の網小屋再生を目指す。