若手起業家の育成を目指す実践型プログラム「TOMOL(トモル)プロジェクト」の合宿が9月19日・20日、下田市内で開かれた。16〜22歳の高校生や大学生9人が参加し、自身の「偏愛」や「コンプレックス」を起点にしたビジネスアイデアの創出に取り組んだ。
スタートアップ支援に取り組む「EXPACT(エクスパクト)」(静岡市)などが中心となって2024年度に始動した同プロジェクトは、本年度で3期目を迎える。参加者が自身の原体験や関心、地域との関わりからアイデアを深掘りし、事業化や社会実装につなげることを目指しており、過去の参加者から実際に起業家が誕生するなど着実な成果を上げている。
今回の合宿は、19日はにぎわい創出施設「WITH A TREE」(下田市西本郷)、20日は宿泊やコワーキングを備える「風まち下田」(武ガ浜)を会場に実施。「コンプレックス or 偏愛」をテーマに掲げ、WITH A TREEを運営する「local is beat」の梅田直樹さんと、マーケティングやブランディングを手がける「NY&Co.」の根岸泰之さんが講師を務めた。
初日は講義と自己ワークを通じて各自が抱くこだわりや悩みを徹底的に言語化。夜には地元飲食店「志のぎ食堂」(西本郷)の肉チャーハンやギョーザなどのローカルフードを囲んで懇親会を開き、参加者同士や講師陣が膝を突き合わせて意見を交わした。
2日目には各自の「偏愛」や「コンプレックス」から生まれたビジネスの種を共有。PCが大好きだという参加者からの「段ボールを利用したPC」や、音楽が大好きな参加者からの「ライブハウスの宿泊施設」、引きこもり時のコンプレックスを持つ参加者からの「人が集まるコミュニティーづくり」などのアイデアが発表された。構想を語るだけにとどまらず、実現に向けて「1カ月後までに何をするか」という具体的なアクションプランまで落とし込んだ。
参加した関本健太さんは「『偏愛』と『コンプレックス』は表裏一体で、自分にとって当たり前のことが誰かにとっては価値になると気づいた。周囲の意見も大切にしつつ、まずは自分が本気でやりたいことを信じてやり切ってみたい」と手応えを話す。
EXPACTの高地耕平社長は「正解を学ぶのではなく、自分の中の『やりたい』を仲間と語りながら形にしていく場。下田の自然や暮らし、人との出会いを通じて、小さくても最初の一歩を踏み出してほしい。ここで生まれた挑戦が下田から静岡、そして社会へ広がっていけば」と期待を込める。