地域有数の古社として知られる「伊那下(いなしも)神社」(松崎町松崎)で8月12日、修復工事が完了した大鳥居の完成式が執り行われた。氏子総代や工事関係者ら約30人が参列した。
くす玉に込められた「未来へ受け継ぐ祈り」のメッセージ(関連画像4枚)
同神社は約2000年前の山の祭りが起源と伝えられ、平安時代の「延喜式」にも名を連ねる神社。拝殿前に立つ大イチョウは樹齢約1800年とされ、県の天然記念物に指定されている。
大鳥居は1972(昭和47)年に建てられた高さ約7メートルの木製鳥居。築20年ほど経過した頃から腐食が見られるようになり、補修を重ねてきたが、今回が3回目の大規模修繕となった。修理は4月に始まり、費用は氏子や地域住民のほか、遠方からも多くの寄付が寄せられたという。
今回の修理に伴う解体で、柱の内部から建立当時の記録が見つかり、当時の役員総代の名前や未来への祈りが記されていたことが確認された。宮司の森清人さんは「先人たちがつないできた歴史や思いを、自分たちが未来につないでいかなければと改めて思った。人とのつながりが希薄になっている時代だからこそ、今回の修復を通じて地域のつながりの大切さを実感している」と話す。完成式で開披されたくす玉には「未来へ受け継ぐ祈り」と書かれた垂れ幕が納められた。
同神社では8月15日、境内にある松崎町護国神社で終戦81年を迎えた慰霊祭「みたまなごめ」も斎行。約20人が参列する中、ソプラノ歌手のソネタエコさんが「君が代」「ふるさと」などを奉納演奏した。「ソネさんの歌声を聴いて、皆さん、それぞれ思うことがあったのでは」と森さんは振り返る。