川津来宮神社(河津町田中)で10月17日・18日、毎年恒例の例大祭が行われた。幕末の幕臣・山岡鉄舟の書と伝わる大幟旗(おおのぼりばた)が掲げられ、祭神にちなんだ「どぶろく開き」や、地域の子どもたちも参加する「鳥酒精進太鼓」などが行われた。
地域の子どもたちも参加して力強く奉納された「鳥酒精進太鼓」(関連画像7枚)
正式名称が「杉桙別命(すぎほこわけのみこと)神社」という同神社は、国の天然記念物に指定されている樹齢1000年以上の大クスでも知られる。毎年10月の第3土曜・日曜に開かれる例大祭は、地域に伝わる信仰と風習を今に伝える秋の恒例行事となっている。
初日の17日は8時に鳥居近くへ大幟旗が立てられ、祭りが幕を開けた。16時30分からは、宮司が仕込んだ「神の酒」を祭神にささげる「どぶろく開き」の神事を斎行。酒好きの男神とされる祭神・杉桙別命にちなみ、古代衣装をまとった若衆が「皆も飲めや」と呼びかけ、参拝客や見物客にどぶろくを振る舞った。
神事では、平安時代から伝わるとされる民話「鳥精進・酒精進」にちなんだ寸劇調の儀式も披露。杉桙別命が酒に酔って野原で眠り、周囲を野火に囲まれた際、無数の小鳥が羽に水を含ませて飛来し、雨のように水を降らせて火を消し止め命を救ったという伝承を表現した。
この伝承に由来し、河津町には今も「鳥精進・酒精進」の風習が受け継がれている。杉桙別命が災難に遭ったとされる12月18日〜23日の6日間、氏子たちは鳥料理や卵料理を食べず、酒も飲まない。禁を破ると火災に遭うと伝えられ、町内の小中学校でもこの期間は給食の献立から鶏肉や卵を使った料理を外している。
17時からは、地域の子どもたちも参加して「鳥酒精進太鼓」を披露。祭りの伝統を伝える力強い太鼓の音が境内に響き渡った。
どぶろくを味わった氏子の一人は「今年のどぶろくはおいしくできた。これを飲んで1年間、健康に過ごしたい」と話していた。