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伊豆下田で「元気塾」 東伊豆を盛り上げる2人の女性が登壇

登壇する熱川バナナワニ園の神山浩子園長

登壇する熱川バナナワニ園の神山浩子園長

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 地域を盛り上げるためにさまざまなアイデアで奮闘する人や事業を紹介する「第22回伊豆下田元気塾」が3月13日、下田市民文化会館(下田市四丁目)大ホールで開かれた。

懇親会では「寿しらぼ三〇二」の副業すし職人たちも腕を振るった(関連画像7枚)

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 主催は伊豆下田法人会。地域を活性化させるためにチャレンジしている人物に登壇してもらい、取り組みの内容や経緯、今後の展望を聴くことを趣旨として開いている。

 今回は「交流とにぎわいを生み出す人~東伊豆編」と題し、約3000人が集まる「伊豆稲取キンメマラソン」の実行委員長を務める西塚良恵さんと、1958(昭和33)年創業の老舗観光スポット「熱川バナナワニ園」の神山浩子園長を講師に招いた。

 伊豆高原でのネイルサロン運営や化粧品通販など、主に美容分野で他業種経営に取り組む西塚さん。出身地である東伊豆町稲取を盛り上げたいと、2014(平成26)年に女性10人でNPOを設立し、伊豆稲取キンメマラソンを始めた。「小さい頃から、町民スポーツ大会などで町の人たちが熱心に応援してくれる姿を見てきた。マラソン大会で走る人たちのことも、きっと応援してくれると考えた」と西塚さんは振り返る。

 初回は約1500人だったエントリー数は回を重ねるごとに増え、前回の第7回大会には2800人以上がエントリーした。他のマラソン大会よりも資金が少ない中、可能な限り手作りで費用を抑えたことや、坂道が多いことを逆手に取って「平らな道に飽きたんじゃない?」をキャッチフレーズに、あえて過酷なコースであることをアピールして他のマラソン大会との差別化を図ったことなどを紹介。「まちおこしに必要なものは情熱」と、力強く会場に語りかけた。

 続いて登壇した神山さんは東伊豆町奈良本出身。大学卒業後、いくつかの製薬会社で医薬品開発に携わった後、2016(平成28)年に当時園長だった父の急死を機に熱川バナナワニ園の取締役に就任。2023年10月、園長に就任した。

 神山さんが「ワニを園外に連れ出すことは許認可の取得が非常に大変。ワニに代わって園の楽しさを発信する役目を担う存在として、公式マスコットキャラ『熱川ばにお』が必要だった」と紹介すると、熱川ばにおが舞台上に登場。客席に向かって手を振るなど愛嬌たっぷりの姿を披露した。

 さらに神山さんは、これまで取り組んできた漫画・映画・アート・ゲームなど、さまざまな分野でのコラボ事例を紹介。最近では、SNSで大きな話題を呼んだ「ワニ大福」やクラフトビールなど食の分野にも広がっていることも紹介し、「コラボで特に大切なのはストーリー」と説明した。

 2人の講演の後は、岩井茂樹東伊豆町長も交えてのトークセッションを開催。岩井町長からの「熱川台湾提灯(ちょうちん)プロジェクト」やマイカー乗り合いサービス「ノッカル東伊豆」など町のトピックの紹介の後、会場から寄せられた質問を軸に3人でのクロストークを行った。

 伊豆下田法人会の研修委員長として同イベントを取り仕切った山本剛生さんは「登壇者の情熱あふれる話に心を打たれた。アンケートの感触も非常に良かった」と話す。

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