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伊豆オレンヂセンターが移転60周年 名物の生ジュースで伊豆観光を支える

「伊豆オレンヂセンター」の山下千秋社長(左)と妻で役員の光子(てるこ)さん

「伊豆オレンヂセンター」の山下千秋社長(左)と妻で役員の光子(てるこ)さん

 「ウルトラ生ジュース」などで広く知られる老舗ドライブイン「伊豆オレンヂセンター」(河津町見高)が5月15日、現在地に移転開業してから60周年を迎えた。

国道135号沿いのみかんの大きな看板が目印の「伊豆オレンヂセンター」

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 同センターの前身は、前社長の鈴木秋男さんが1955(昭和30)年に東伊豆町稲取で創業した土産店「ねこや名産店」。1961(昭和36)年の伊豆急行開通に伴い観光客の流れが変化したことを受け、新たな事業として熱川でミカンの販売を始めた。その後、1966(昭和41)年の有料道路開通を見据えて現在地に「いなとりドライブイン」を開業し、土産売店や食事処、喫茶を備えた施設として新たなスタートを切った。狙い通り有料道路の開通後は、観光バスやマイカーで多くの観光客が訪れるスポットとなった。

 店の代名詞でもある「ウルトラ生ジュース」(500円~)は、創業者の実家がミカン農家だったことから考案したもの。店内にミカンの装飾を施して提供を始めると、バスガイドの口コミを中心に評判が拡大。当時話題を呼んでいた東京オリンピック(1964年)の体操競技の大技「ウルトラC」にちなんで現在の名が付けられた。この頃に生まれた「1杯飲むと3年長生き」というキャッチフレーズは、今も色あせることなく親しまれている。

 1978(昭和53)年の伊豆大島近海地震をきっかけに店舗の建て替えが進められ、1989(平成元)年には現在の庄屋造りの店舗が完成した。その後も地元産のブルーベリーやイチゴを使った生ジュースを展開するほか、「ウルトラオレンヂジャム」(700円)や「万能煮汁」(850円)など数々のオリジナル商品を開発し、人気を集めてきた。

 近年は、今後の事業承継も見据えて、売り上げや在庫データをネット上で一元管理するクラウド型POSシステムを導入するなど、業務の合理化にも積極的に着手。こうしたデジタル化による経営力向上の取り組みが評価され、2026年春には「中部デジタル経営力大賞」で奨励賞を受賞した。

 2代目社長の山下千秋さんは「お客さまに喜ばれる店であり続けることを一番に考えてきた。東日本大震災やコロナ禍などの大きな試練を乗り越えられたのも、お客さまのおかげ。今後はネット販売にもさらに力を入れていきたい」と感謝と今後の展望を語る。

 営業時間は9時30分~16時30分(土曜・日曜・祝日は17時まで)。水曜定休。

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