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伊豆下田で「元気塾」 下田に交流とにぎわいを生み出すキーパーソンが登壇

鈴木浩之さん(左)と梅田直樹さん(右)のトークセッションの様子(写真提供=伊豆下田法人会)

鈴木浩之さん(左)と梅田直樹さん(右)のトークセッションの様子(写真提供=伊豆下田法人会)

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 地域を盛り上げるためにさまざまなアイデアで事業に取り組む人々を紹介する「第21回伊豆下田元気塾」が3月14日、下田市民文化会館(下田市四丁目)大ホールで開催された。

滋賀高原でのエピソードを披露する梅田直樹さん

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 主催は伊豆下田法人会。地域を活性化させるためにチャレンジしている人物に登壇してもらい、取り組みの内容や経緯、今後の展望を聴くことを趣旨としている。

 今回登壇したのは、下田市まち遺産「なまこ壁の家『雑忠(さいちゅう)』」9代目・鈴木浩之さんとローカルイズビート代表・梅田直樹さん。会場には約170人の法人会会員や一般市民が集まり、地元プレーヤーたちの地域活性への取り組みに耳を傾けた。

 鈴木さんは東京都出身。現在は千葉県船橋市と下田市との2拠点をベースに活動している。子どもの頃から夏休みを過ごした「おばあちゃんの家」だった雑忠を、父の死をきっかけに自らが管理するようになり、下田や賀茂地域への関わりが深まっていった経緯を話した。

 さらに鈴木さんは、雑忠を舞台に地域色豊かなイベントを開催してきた実績や、2022年12月に立ち上げた「伊豆下田経済新聞」の活動を紹介。いずれの取り組みでも有志たちと縁を結びながら、もともと地域にある資源を生かしてきた事例を共有した。会場に向けて「これだけの資源がある下田。『何もない』とは決して言わないでほしい」と、地元の人々が地域に誇りを持つことの大切さを呼びかけた。

 次に講演した梅田さんは下田市出身。10代のころから家業に携わり、さまざまな家族の問題に直面しながらも、町の人々や仲間たちに支えられて困難を乗り越えてきた自身の体験を話した。

 他の地域に触れる機会があまりない環境で積み上げてきたキャリアから一転、全国に拠点を持ちリモートワークを推奨する企業の社員に転身した梅田さん。滋賀高原や唐津など異郷の地でイベントを企画したりケータリングに力を入れたりして、苦戦しながらも目標額をクリアするために奮闘したことを、動画も使いながら克明に伝えた。併せて、現在取り組む巨大な倉庫跡地「WITH A TREE」(西本郷)での、子どもたちや家族連れが楽しめて地域に住む人々が元気になるイベント作りについても紹介した。

 後半では2人のトークセッションも行われ、おのおのの取り組みの中での苦労話や現在注目していることなどの情報を交換した。来場者からの質問もアプリで拾うなどして、質疑応答をスムーズに進行した。

 終了後は講師と参加者たちとの懇親会も開かれ、老舗すし店「美松寿司」(二丁目)4代目でケータリングサービスを展開する植松隆二さんと副業すし職人たちが握るすしを楽しみながら交流を深めた。

 伊豆下田法人会事務局を務める石垣直樹さんは「地元のにぎわい作りに貢献している人を、より多くの方々に知ってもらえれば。その中からコラボレーションの話が生まれたらうれしい」と今後の展望について話した。

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