国内外のデジタルノマドなどの越境人材と地域の住民や学生、事業者が交流するグローバル関係人口創出プログラム「TADAIMA 2026」が10月25日、下田市と賀茂地域で始まった。11月22日までの約1カ月間、学術ワークショップやシンポジウム、ピッチイベント、多国籍な文化祭など多彩な催しを展開する。
過去開催時の様子、世界文化祭で自国の料理を振る舞うデジタルノマドたち(関連画像8枚)
PC1台で場所を選ばずに働くデジタルノマドの受け入れを進める下田市は、日本における「デジタルノマドの聖地」として国内外からの注目度を高めている。2024年に市の誘致モデル事業として始まって以来、民間主導の自主事業への移行や英語での試住・試職プログラム「Nomad Experience」の展開などを通じ、2年間で延べ300人以上のデジタルノマドが来訪。初年度に滞在した約30人の半数以上が再訪するなど、一時的な観光にとどまらない関係人口の循環モデルが根づきつつある。
今年8月には、初年度に参加者として来訪したインドネシア出身のハレン・タンビさんが、デジタルノマド誘致を目的とした地域おこし協力隊に着任し、滞在者と地域をつなぐ橋渡し役を担っている。「デジタルノマド誘致を目的とした地域おこし協力隊の着任は日本初の事例」だという。
期間中は日常的なコワーキングや食事会のほか、11月5日〜8日にメインイベントを連日開く。5日は、スウェーデン・リンネ大学の研究者トマス・ニルソンさんを中心に、下田を先進事例として国境を越えた関係人口形成を議論する「Academic Day」(13時〜17時、会場=WITH A TREE)を開催。
6日には、静岡県が主催する「デジタルノマドシンポジウム in 静岡」(13時〜17時、会場=ホテル伊豆急)が開かれる。「関係人口を世界に開くと、何が変わるのか」をテーマに、塚本秀綱副知事や伊豆急行、静岡銀行、下田・賀茂地域の観光事業者のほか、デジタルノマドの先進地であるタイ・チェンマイの実践者らが登壇し、地域との共創や新しい観光の形についてパネルディスカッションを行う。
7日には、地域おこし協力隊のハレンさんが主催する「TADAIMA 未来会議 2026」(13時30分〜16時45分、会場=Kazemachi Shimoda)を開催。国内外のノマドや研究者のほか、前橋・五島・東京・屋久島など全国の地域実践者が集い、それぞれの挑戦や地域共創のアイデアをピッチ形式で共有する(日英リアルタイムAI字幕付き)。
8日には、滞在中のノマドや地元の学生、家族連れなど多様な人々が集う「世界文化祭 2026(SHIMODA BUNKASAI)」を「WITH A TREE」(下田市西本郷2)で開く(11時〜17時、入場無料)。各国の食や音楽、文化を持ち寄って楽しむ。県内初の合同会社型DAO「IZU DAO」が協力し、会場内では現金を使わず、地域の「ありがとう」を見える化するコミュニティーポイント「IZU POINT」を活用した飲食や体験を提供する。
同イベントを主催する「ELENTO」の代表で、自らもデジタルノマドとして世界中を巡る塚田絵玲奈さんは「下田の温かい地域コミュニティーと世界中の知見が交わることで、一度の訪問が『また帰ってくる理由』になり、新しい関係人口の形が育っている。ぜひ気軽に足を運んでいただき、国境を越えた交流を楽しんでほしい」と話す。