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南伊豆の協力隊にハーブセラピストの鈴木歩実さん 「長命草」6次産業化へ

鈴木歩実さんと岡部克仁町長

鈴木歩実さんと岡部克仁町長

 南伊豆町役場で5月7日、地域おこし協力隊の委嘱式が行われ、新たに鈴木歩実(ふみ)さんが隊員として委嘱を受けた。鈴木さんは、静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センターが選定する「賀茂11野菜」の一つである「長命草(ちょうめいそう)」を活用し、生産から加工、販売までを一体的に行う6次産業化に取り組む。

南伊豆町役場の敷地内で栽培されている長命草(関連画像4枚)

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 東京都府中市出身の鈴木さんは大学卒業後に都内のハーブ専門店に勤務し、植物療法に関する知識を深めてきた。自然由来の植物や健康素材に関わる中で、食と健康を結びつけた地域資源の活用にも関心を持つようになったという。南伊豆町との縁は、同町へ移住した兄夫婦の存在だった。兄夫婦が管理する畑を借りてハーブ栽培を経験する中で、温暖な気候や豊かな自然環境に魅力を感じ、自身のキャリアを生かせる活動として、同町の地域おこし協力隊に応募した。

 鈴木さんが栽培に挑む長命草はセリ科の多年草で、温暖な沿岸地域に自生する生命力の強い植物。独特の香りと高い栄養価を持ち、「1株食べると1日長生きする」ともいわれる健康野菜。長命草が含まれる「賀茂11野菜」は、賀茂地域で古くから栽培されてきた伝統野菜や特有の農産物をブランド化して地域振興につなげる取り組みだが、生産量の拡大や認知度向上、販路開拓などが課題となっている。

 今後、鈴木さんは町内の農家や関係者から指導を受けながら長命草の栽培技術を習得し、まずは安定生産を目指す。並行して消費動向や需要の調査を進め、健康志向の高まりを踏まえた商品開発にも着手する予定。3年間の任期を通じて加工品の開発や販売先の開拓を推し進め、長命草を新たな地域産業として定着させることを目標に掲げている。

 委嘱式で、岡部克仁町長は「町民にとって身近な食材として定着させ、健康増進につながればと以前から試行錯誤を重ねてきたが、町内での本格的な生産には至っていないのが現状。新たな植物栽培が産業として成り立つか不透明な面もある中で、地域おこし協力隊制度を活用した今回の取り組みには大いに期待している」とエールを送った。

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