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南伊豆発のオリジナル包丁が新潟県知事賞受賞 刃離れの良さを評価

渡邉典子さん(左)と岡部克仁南伊豆町長(右)

渡邉典子さん(左)と岡部克仁南伊豆町長(右)

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 独自の片刃包丁を開発する「Yui」(南伊豆町子浦)の社長・渡邉典子さんが4月8日、同社が開発した家庭用包丁「PROCEED bit(プロシード ビット)」が新潟県燕市主催のものづくりコンクールで新潟県知事賞を受賞したことを報告するため、南伊豆町役場を訪れた。

Yuiのオリジナル包丁「PROCEED」と「PROCEED bit」(関連画像6枚)

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 渡邉さんは栃木県出身。東京で会社員として働いていたが、約10年前に南伊豆町に移住した。移住後に働き始めたネパールカレーショップ「ティハール」(伊浜)で、その店のマスターが使っていた片刃のシェフナイフの切れ味と便利さに魅了され、独自に研究を重ねて家庭用包丁「ユニバーサルエッジ」を開発した。

 2022年、「切ることが楽しくなる」体験を広げるため同社を立ち上げた。「ティハール」に併設したスペースでのオリジナル包丁を実演販売するほか、コミュニティースペース「きよりや」(下賀茂)での包丁の使い方教室などを開いている。

 昨年は町の商工観光課の支援事業「次世代事業者育成ワークショップ」に参加。それをきっかけに動画発信にも積極的に取り組んでおり、役場の調理室で撮影したニンジンの薄切り動画の総再生数は1000万回を超えた。

 同社が今回挑戦したのは、「ものづくりのまち」として知られる新潟県燕市が主催する「第47回ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール2024」。金属製品の革新性・審美性・機能性・市場性・社会環境性を評価するもので、同社の家庭用包丁「PROCEED bit」(7,800円)がグランプリ・準グランプリに次ぐ優秀賞の一つとなる「新潟県知事賞」を受賞した。「特に刃離れの良さと薄切りのしやすさが高く評価された」と渡邉さんは話す。

 南伊豆町役場を訪れた渡邉さんは「包丁の使い方教室の生徒からの貴重な意見や町の方々の支えがあったので受賞することができた」と喜びを報告。岡部克仁南伊豆町長は「今回の受賞は町の他の事業者の励みにもなる。フェスタ南伊豆での実演販売など、今後ますます活躍してほしい」とエールを送った。

 「実演販売や包丁教室で、この包丁の使い手を増やす活動をベースに動画配信やネット販売にも力を入れていきたい」と今後の展望について話す渡邉さん。「町の人だけでなく日本中の人たちにこの包丁で切る楽しさを実感してほしい」と意欲を見せる。

 同社の包丁は実演販売とオンラインショップで販売するほか、南伊豆町ふるさと納税返礼品としても取り扱われている。

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