約1.2キロにわたって弓状の美しい砂浜が続き、夏場は多くの海水浴客でにぎわう弓ヶ浜海岸(南伊豆町湊)で7月11日、絶滅危惧種に指定されているアカウミガメの産卵が確認された。同海岸での産卵が確認されたのは2020年以来6年ぶり。
南伊豆町では「南伊豆町ウミガメ保護条例」を制定し、貴重なアカウミガメなどの産卵環境を守る活動に長年取り組んでいる。その一環として、町から委嘱された8人の地域住民が「ウミガメ保護監視員」として活動。産卵シーズンに当たる6月~8月の毎朝5時から7時にかけて、当番制で海岸を見回っている。
当日は5時40分ごろ、見回り中だった監視員が砂浜にウミガメの上陸跡を発見し、南伊豆町教育委員会事務局へ報告。連絡を受けた同事務局の職員が現地へ急行し、6時15分ごろから監視員立ち会いの下で慎重に産卵の確認作業を始めた。その後、砂中から110個の卵を確認し、7時ごろまでに近くに設置されている専用の保護小屋への移動を無事に完了した。
小屋へ移された卵は今後1カ月~1カ月半ほどでふ化する見込み。ふ化したカメの赤ちゃんは夜中のうちに自力で小屋の穴から這(は)い出し、目の前に広がる海へと旅立っていくという。南伊豆町内でのアカウミガメの産卵は、2023年に入間海岸で確認されて以来3年ぶりとなる。
南伊豆町教育委員会の一山良博さんは「弓ヶ浜での産卵は町としても大変喜ばしいニュース。早朝の作業中にたまたま居合わせた子連れの観光客からも『滅多に見られない貴重な光景』との声が聞かれ、監視員の皆さんと共に喜びを分かち合った」と話す。一方、「もしウミガメの卵を見かけた場合は、決して触ったりせず、役場に知らせてほしい」と協力を呼びかける。