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南伊豆で環境に寄り添う「高床式美容室」建設へ 排水も自然の循環に

「杜とあお。」中野美代子さん(右から2番目)とプロジェクトメンバー

「杜とあお。」中野美代子さん(右から2番目)とプロジェクトメンバー

 化学薬品を使わず環境負荷の少ない施術を行う美容室「杜とあお。」(南伊豆町市ノ瀬)が、以前から目標に掲げていた「高床式美容室」の建設プロジェクトを本格始動させた。5月10日には、地域ボランティアらと共に建設予定地の草刈りや土中環境づくりに取り組んだ。

高床式美容室の完成図(関連画像9枚)

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 富士市出身の中野美代子さんが営む同店は2018(平成30)年の開業以来、カラー剤やパーマ剤を使わない施術を続けている。その理由について、中野さんは「身体本来の働きを妨げないことを大切にしてきた結果、自然に近い形になった」と話す。

 今回建設を目指す高床式美容室は、そうした自然に寄り添う暮らしと仕事の延長線上に生まれた構想だ。建物は床下に風や水が通り抜ける構造とし、施術で使われた水が土へ還る流れを体感できる設計を採用する。床下では施術に使うハーブや野草を陰干しする計画もあり、水や土、微生物を含めた自然の循環を五感で感じられる空間を目指している。

 施術で生じる排水には、皮脂や常在菌、植物由来のハーブなどが含まれる。これらを「処理するもの」として隠すのではなく、自然循環の一部として捉え直すのが特徴だ。排水については関係法令に基づき、適切な処理方法を行政機関に確認しながら計画を進めているという。

 5月10日には、地域ボランティアや、早稲田大学の「田舎留学プロジェクト」の参加学生らと共に、敷地内の草刈りや水はけの改善、微生物環境を整える土中環境づくりを実施した。当日は設計を手がける上田満盛さんと、大工の川辻理沙さんも現地を訪れ、学生らに高床式建築の特徴や設計模型について説明を行った。

 現在、プロジェクト実現に向け、建築費などの資金を募るクラウドファンディング(CF)で協力を呼びかけている。返礼品には完成後の美容室利用券のほか、「毛倉野生花店」のフラワーアレンジメントや「自然農園 日本晴」のジャムセットなど、地元事業者と協力した品も用意する。中野さんは「美容も暮らしも自然循環の中にある。その感覚を次の世代へ、一つの在り方として残したい」と力を込める。CFは6月22日まで。

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