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下田の海底熟成ワイン、半年を経て引き揚げ ホテルなど依頼主に引き渡し

依頼主と笑顔を見せる河津建設の河津元さん(中央)

依頼主と笑顔を見せる河津建設の河津元さん(中央)

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 河津建設(下田市中)が5月16日、昨年秋に下田港内に沈めた海底熟成酒の引き揚げを行い、ワインやウイスキーなど約1000本の酒類を依頼主に引き渡した。

海底で眠っていた酒瓶には石灰藻やフジツボが付着している

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 同社では2017(平成29)年から、地域貢献事業として海底熟成酒造りに取り組んでいる。市内の飲食店や宿泊業者から無料で酒類のボトルを預かり、同社所有のクレーン船で下田湾に沈めて約半年間熟成させる。「海底は温度が一定で光も当たらないため、特にワインの熟成がよく進む」という。

 預けていたワインを受け取った下田東急ホテルのレストランマネジャー・田中秀和さんは「海底に沈めることで、酒類は劇的に味がなめらかになる。ワインは特にその変化が顕著」、同じくワインを受け取った下田セントラルホテルの黒須善朗支配人代理は「里山にあるホテルで海を感じていただけるアイテム。お客さまにはその風情の妙を楽しんでいただければ」と、それぞれ話す。

 5月19日~21日に開かれた「第84回黒船祭」の同社ブースでは、引き揚げた赤ワイン「伊豆メルロー2022」の飲み比べを行い、訪れた観光客らは、海底に沈める前と後のワインの味の差に驚く声を上げていた。

 黒船祭の海外ゲストをもてなす下田東急ホテルでのレセプションでも海底熟成ワインが振る舞われ、国内外からの来賓も新しい下田の名物を味わった。

 海底熟成酒は、老舗バー「ハーバーライト」(三丁目)でのウイスキーなど、市内のさまざまな宿泊施設・飲食店で楽しむことができる。志田酒店(二丁目)でも販売する。

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