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下田の海で半年間眠ったワインなど1100本引き揚げ 河津建設が無償協力

「下田海底セラーワイン」プロジェクトを主導する河津建設の河津元(げん)常務

「下田海底セラーワイン」プロジェクトを主導する河津建設の河津元(げん)常務

 100年以上の歴史を誇る下田の建設会社「河津建設」(下田市中)が5月12日、下田港の海底で熟成させた酒類を引き揚げ、市内の宿泊施設や飲食店、小売店などの依頼主に引き渡した。

海底熟成ワインの一部は「黒船祭」で振る舞われた(関連画像8枚)

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 今回引き揚げた酒類は、同社が取り組む「下田海底セラーワイン」プロジェクトの一環で預かり、下田港湾内の海底で約6カ月間(2025年11月5日~2026年5月12日)貯蔵していたもの。海底への設置や引き揚げ作業には、同社が所有する大型の起重機船(クレーン船)を使った。

 同プロジェクトでは、参加者が酒類を持ち込めば、海底への設置や引き揚げを同社が無料で実施する。本来であればクレーン船の稼働経費やダイバーの人件費などで数百万円規模の費用がかかる大規模な作業だというが、同社は地域の産業振興に貢献しようと、本業の海洋工事に使われる自社の設備や技術を無償で提供している。

 10回目の節目を迎えた今年は39の事業者や団体が参加し、約1100本を海の底に沈めた。引き揚げられたワインを現地で試飲した中伊豆ワイナリーのソムリエ・吉田学さんは「今年もしっかり熟成して良い仕上がり。海底熟成により、ワインの時間が早く進む」と太鼓判を押す。

 参加者は、仲間内で楽しむための個人から、宿泊客へ提供するホテルや旅館までさまざま。下田市を中心に移動式バー「Bar NonBase」を経営する白井健太さんは、ワインだけでなく、みりんやジンなど、さまざまな酒類の海底熟成を依頼。「どんな変化があるのか楽しみ」と期待に満ちた表情で、海底から引き揚げられたケースを車に積み込んでいた。

 今回引き揚げられたワインの一部は、5月15日~17日に開催された下田最大のイベント「黒船祭」の河津建設のブースで来場者に振る舞い、注目を集めた。

 同プロジェクトを主導する同社の河津元(げん)常務は「プロジェクトを始めて今年で10年目。これからも継続したい。海底熟成酒と地物をかけ合わせ、新しい価値を作っていきたい」と意欲を見せる。

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