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下田の総菜カフェ「カマや」オープンから半年 サブスクの総菜セットも

店主の杉山裕子さん(右)とスタッフの植松智子さん

店主の杉山裕子さん(右)とスタッフの植松智子さん

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 食を中心に地域の資源を活用し、子育て世代や高齢者、移住者、生産者をつなぐことを目指す総菜カフェ「おそーざいカフェ・カマや」(下田市二丁目)がオープンして、4月23日で半年がたった。

会員限定「月イチおそーざいセット」の一例(関連写真15枚)

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 店主の杉山裕子さんは滋賀県出身。高校時代に交換留学を経験してから海外に興味を持ち、社会人以降はオーストラリア留学を経て、働きながら旅をするライフスタイルを確立した。

 夏は伊豆でスキューバダイビング、冬は長野でスノーボードに携わりながら、それぞれの地域で食に関わる仕事に取り組んだ。2005(平成17)年に東伊豆町北川で「茶飯宿カマや」を開いたが、一人で激務に当たったことから体調を崩して2年で廃業。その後も長野や伊豆で食の仕事に携わり続け、下田で結婚・出産、育児を経験して、昨年10月23日に同店を開いた。

 下田旧町内の古い民家をリノベーションした、少し道から奥まった場所にある同店。間口は狭いものの奥に長く、入ってすぐの場所にテイクアウトの総菜が並ぶショーケースを置く。レトロな雰囲気の廊下を進むと台所に続いて食堂があり、奥の和室にはちゃぶ台2卓を備えた座敷席を用意する。計16席。2階には和室2部屋があり、「食と健康や地元の文化に寄り添ったワークショップや、親子で楽しめるイベントの開催などを考えている」という。

 店内での食事メニューは「おまかせおそーざいプレート」(1,650円)のみ。店頭でも販売する地場の食材をふんだんに取り入れた総菜5種類を盛り付け、お代わり自由のご飯は杉山さんの実家から送られて来る近江米を使う。ランチプレートには季節のスープとデザートも付く。その他、コーヒーやハーブティー(以上450円)やスイーツセット(750円)も用意する。

 15時からは総菜も販売。個別販売のほか、6品前後・2~3人前の総菜をまとめて渡すサブスクリプション形式の「月イチおそーざいセット」(月額4,600円)も用意する。販売している総菜は、冷蔵庫に入れれば5日間程度保存が可能だという。サブスク形式のセットについて、杉山さんは「普段なかなか外食に行けない人や、たまには料理を休みたい主婦の役に立てれば」と狙いを話す。

 ランチを食べに来ていた市内で飲食店を営む山田安好さんは「女性ならではの優しい味。こんな内装になっていたのかと驚いた」と話す。

 同店が提供するコーヒーは、青い卵「下田ブルー」で知られる「farm1987」(柿崎)の稲田健吾さんが焙煎(ばいせん)したオリジナルブレンド。かねて稲田さんの取り組みを知っていた杉山さんが声をかけ、「ごく親しい人にのみ分けていた」というコーヒーを仕入れている。稲田さんのコーヒーは今後一般にも販売されることになり、それを記念したイベントを4月26日16時~20時に同店で開く。

 「おいしいものを食べると人は幸せに感じ、食があるところには交流が生まれる」と杉山さん。「生産者、作る人、食べる人。近江商人の『三方良し』の精神で地域を盛り上げていきたい」と意欲を見せる。

 ランチの営業時間は11時~14時。総菜販売は15時から売り切れまで。営業日はインスタグラムで知らせる。駐車場3台。

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