「下田有線テレビ放送(通称「SHK」)」(下田市東本郷)が今年で自主放送開始60周年を迎える。これを記念して4月24日、同局と同じく「還暦」を迎える市民が一日限定でニュース番組に出演する特別企画「還暦市民キャスター」がスタートした。
同社は1966(昭和41)年9月1日、地域向けのコミュニティーチャンネルとして放送を開始。山間部や沿岸部に多い難視聴地域(地理的状況により地上波・BSが受信できない地域)を解消する目的で各家庭へケーブルを引き込み、さらに地上波12チャンネルでは地域ニュースや学校行事、祭りなどの自主制作番組を届けてきた。国内で現存するケーブルテレビ局としては最も長い歴史を持ち、長年にわたり地域に根ざした放送を続けている。
放送開始60年となる今年は、9月1日の記念日を基軸にさまざまな企画を展開する。第1弾となる「還暦市民キャスター」では、SHKと同い年の市民が看板番組「きょうのニュース」のキャスターに挑戦する。
第1号として登場したのは、「えきちかマルシェ」(東本郷)の店主で、同局のレギュラー番組「やろーじゃ!下田」にも出演する橋本智洋さん。本番では、自身が運営する「伊豆素財活要工房」の商品「甘夏こんにゃくゼリー」が下田ブランドに認証されたニュースを自ら読み上げた。
橋本さんは「デジタル化が進む中でも、高齢の市民を中心に放送を楽しみにしている人は多い。日本最古級のケーブルテレビとして誇りに思う」と語って収録に臨み、終了後にはスタッフから「プロのよう」と声が上がるなど、現場は和やかな雰囲気に包まれた。
結婚を機に埼玉県から移住し、勤続6年目になる同社カメラマンの淺田力さんは「これだけ町との関わりが強い自主放送は珍しい。運動会なども『SHKが撮ってくれる』と期待される、下田独自の文化になっている」と実感を語る。
同社課長でアナウンサーの土屋知美さんは「地域に情報を伝える役割を、100年を目指して続けていきたい」と意欲を見せる。
「還暦市民キャスター」企画では、下田市にゆかりがあり、2025年~2027年に還暦を迎える人を対象に、出演者を6月末日まで募集している。平日の日中、SHK社内スタジオで収録する。