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下田「美松寿司」と「SENA」がVtoV取引 すしとプレゼン資料を物々交換

VtoV取引を行った美松寿司の植松さん(左)とSENAの生畑目さん(右)

VtoV取引を行った美松寿司の植松さん(左)とSENAの生畑目さん(右)

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 下田で60年以上続く老舗すし店「美松寿司(すし)」(下田市二丁目)が4月11日、営業資料作成代行を主力事業とする「SENA」(横浜市保土ヶ谷)との間で、いわゆる「物々交換」に当たるVtoV(Value to Value)取引を行った。

目の前ですしを握る植松さん、月4~5回程度ケータリングを行っている

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 具体的には、SENAが美松寿司の植松隆二さんから依頼を受けたプレゼン資料を作成し、その対価として、SENAがコミュニティースペース「きよりや」(南伊豆町下賀茂)に構える南伊豆サテライトオフィスに同店がすしのケータリングサービスとすし握り体験を提供した。

 下田で60年続くすし店の4代目である植松さんは、下田のすし店の後継者不足と、海鮮を求める観光客に対して十分な供給ができていないことに課題を感じ、地域で副業としてすしを握る人を養成する「副業すし職人」の取り組みを開始。その取り組みを広めるためのサービス概要説明資料の作成をSENAに依頼した。

 さらに植松さんは、今回の依頼を単なるお金のやり取りで終わらせるだけでなく、地域の事業者同士が互いを深く知ってつながる機会にしたいと、VtoV取引を提案。SENAは、副業すし職人の取り組みが地域貢献の意味が強いことや、植松さんの思いに共感したことから、その提案に応じることを決めた。

 今回の取引で、SENAは通常は10万円前後の料金で対応している10~15枚程度のスライド資料を作成。それに対して植松さんは4人分のすしケータリングやすし握り体験を提供した。

 SENAの生畑目星南社長は「『VtoV』という考え方には今回初めて触れたが、モノとモノを交換に止まらず、社員と楽しい時間の共有や、すし握り体験、地域の方との交流など、金銭のやり取りでは味わうことのできない価値を得ることができた」と話す。

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