新年を迎えた下田市内の各ホテルで、江戸時代から続く下田芸者による舞や地域の伝統芸能などを楽しめる催しが行われた。
下田プリンスホテルでは青空の下で下田芸者が舞を披露した(関連画像12枚)
「下田セントラルホテル」(下田市相玉)では1月1日~3日、ビュッフェ形式の朝食時に、下田芸者の舞と下田太鼓の演奏が宿泊客に向けて披露された。
下田芸者による舞では、歌舞伎でも定番の「連獅子(れんじし)」、縁起物を題材にした「初春(はつはる)」、健康と長寿を願う「寿(ことぶき)」、下田らしい歌詞が特徴の「柳橋(やなぎばし)」などを披露。新人芸者も加わり、宿泊客たちは番傘で彩られた舞台で舞う姿に見入っていた。食事の手を止めて舞台の近くに寄り、芸者たちを撮影する人たちの姿も多く見られた。
その後、地元の伝統芸能である下田太鼓の演奏も行われた。祭典を担当する若者たちによる勇壮な太鼓のリズムと軽快なお囃子(はやし)が鳴り響いた。
同ホテル支配人の角田桂喜さんは新春のあいさつの中で、昨年末にホテルが創業43年を迎えたことと取り壊し中の西館について触れ、「新しい構想については検討中。皆さまにより一層楽しんでもらえる里山の別邸を目指す」と意気込みを語った。
昨年からさまざまな新企画を打ち出している「下田プリンスホテル」(下田市白浜)では1月1日、プールサイドの特設会場の澄み渡る青空の下で、下田芸者が舞を披露した。
その後の餅つき大会には宿泊客も次々と参加し、地元の白浜太鼓が迫力あるリズムを響かせると会場全体が手拍子で一体となり、春を思わせる暖かな日差しの中でつきたての餅を味わいながら演奏を楽しむ宿泊客の姿が見られた。
埼玉県から宿泊に訪れた渡辺恵子さんは「伝統太鼓の響きが好き。格好良くて涙が出る」話し、一緒に来ていた勝又由加さんも「リズムに誘われて一緒に演奏したくなる」と興奮した様子で話し、演奏後の体験会では率先してバチを持って太鼓を打ち鳴らした。