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松崎町を巡るグリーンスローモビリティー 交通難民解消の実験兼ね運行

「田んぼをつかった花畑」の様子、後ろには那賀川沿いの桜並木も(写真提供=松崎町)

「田んぼをつかった花畑」の様子、後ろには那賀川沿いの桜並木も(写真提供=松崎町)

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 松崎町で水辺を中心とした地域活性化に取り組む「ミズベリング伊豆 松崎会議」が現在、3~4月に見頃を迎える「田んぼを使った花畑」や那賀川沿いの桜並木を快適に楽しむための新たな交通手段として、グリーンスローモビリティーの導入準備を進めている。

プロジェクト責任者を務める萬法山帰一寺の住職・田中道源さん(関連画像5枚)

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 各地の水辺を有効活用を通じた街のにぎわいと産業の振興を狙う官民協働プロジェクト「ミズベリング」を起点に、伊豆南エリア(賀茂地域)では「ミズベリング伊豆」が始動。2018(平成30)年から河津七滝のライトアップや下田で海底熟成酒を作るプロジェクトなどが行われている。2023年1月には松崎町那賀川周辺の利活用に取り組む「ミズベリング伊豆 松崎会議」が発足し、「水辺で乾杯2023 IN 松崎町」と題した夏のバーベキューイベントなどに取り組んできた。

 今回導入を進めている「グリーンスローモビリティー」は、電動かつ時速20キロ未満で公道を走る事が可能な小さな移動手段を指す。「田んぼをつかった花畑」と那賀川沿いの桜並木のピークシーズンが重なる3月後半に、観光名所と街なかの回遊促進や駐車場不足を主な目的として、7人乗り電動車を走らせることを計画している。

 プロジェクト責任者を務める萬法山帰一寺(松崎町船田)の住職・田中道源さんは「グリーンスローモビリティーの良いところはゆっくりと走るところ。のんびり町を眺めることで、さまざまな発見があるはず」と話す。

 運行期間と時間は3月17日~30日の10~15時。利用者は電話で車を呼び出し、町内約20カ所の待合所や花畑会場に連れて行ってもらうことができる。今回は実証実験として運賃は無料。観光客だけでなく地元住民も利用することができる。

 田中さんは「松崎町でも他の人口減少地域と同様に、交通弱者の支援が重要な課題となっている。スローモビリティーの主な対象は観光客だが、町民にも利用してもらい反応を見てみたい」と話す。「ゆっくり移動する車内でのコミュニケーションを通じて、新たなコミュニティー醸成につながれば」とも。

 同プロジェクトは現在、グリーンスローモビリティー導入費用を募るクラウドファンディングで協力を呼びかけている。期限は3月16日で、既に目標の2倍を超える支援が寄せられている。田中さんは「より多くの人に支援してもらいたいが、実際に松崎町に来てグリーンスローモビリティーを利用してもらうのが一番ありがたい。乗った感想をぜひ聞かせてほしい」と呼びかける。

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