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NFT購入したデジタル村民たちが松崎町訪問 今後の町との関わり方探る

特産の栄久ポンカンを育てる丸高農園を見学

特産の栄久ポンカンを育てる丸高農園を見学

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 昨年12月に限定販売されたNFTアート付きデジタル村民証の購入者たちが2月2日~4日、特典の一つである「美しい村バスで行く松崎ツアー2024」で松崎町を訪れた。NFTを購入した「デジタル村民」ら18人が参加した。

夜の懇親会には深澤町長など地元住民らも加わった(関連画像9枚)

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 松崎町は鳥取県智頭町と共に2022年11月から、ブロックチェーン技術を使った参加権や投票権を持つ人たちによるコミュニティー「美しい村DAO」に参加している。今回のツアーは、同DAOで企画された深澤準弥町長が生成AIを使ってデザインしたNFTアートを特典の一つとするデジタル村民証の購入者を対象に行った。

 初日、参加者たちは東京都内に集合してバスで松崎町に向かい、到着後はガイドの渡辺攻(すすむ)さんの案内で弁天島(松崎町江奈)などのジオスポットや街なかを散策した。夜は深澤町長を囲んだ懇親会も開いた。

 2日目は、早朝に地元住民たちと海岸清掃を行った後、松崎町独自の品種「栄久ポンカン」を栽培する「丸高農園」(松崎町道部)を訪問。ミカン狩りを楽しんだ後、急勾配を切り開いた農場見学を行い、獣害や倒木など農業に取り組む上での苦労も体感した。

 その後、松崎町がシェア日本一を誇る桜葉漬けの製造工場や、町が生んだ鏝絵(こてえ)の名工をたたえる「長八美術館」を見学した後、松崎町で古民家再生に取り組む内田昭彦さんの案内で、現在工事が進められている建物を見学した。

 3日目は「旧依田邸」「岩科学校」の見学を通じて地域の歴史を学んだ後、「石部の棚田」を訪問。地域おこし協力隊として棚田保存を推進する坂本武尊さんの案内で棚田を見学した後、バスで神田に戻り解散となった。

 参加者たちからは「単に観光名所を巡るだけでなく、地元の人とつながりができた」「こんなに濃い旅は初めて」などの感想が聞かれた。さらに「ツアーを通じてみんなのDAOへの思いが高まった。この思いを具体的なアクションにつなげていきたい」との呼びかけから、帰りのバスの中では松崎町と今後どうやって関わっていくかなど活発な議論も行われた。

 ツアーを企画した同DAOの北山幸朋さんは「美しい村DAOの母体となる『日本で最も美しい村連合』にも長く関わって、いろいろな場所を回っているが、今回も多くのユニークな人との出会いがあった。今回のツアーは『NFTの販売+自治体予算』の組み合わせで実施したが、将来的にはDAOで稼いだ原資で企画運営できるようにしていきたい」と意欲を見せる。

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