古民家をリノベーションして新たに誕生した地域コミュニティースペース「旧大家邸」(南伊豆町伊浜)の完成披露イベント「第1回伊浜いいもの展」が12月7日・8日、開催された。
同スペースは「伊浜300年邑(むら)づくりプロジェクト」と題し、地域の有志たちから成る実行委員会が主体となり、地域の中心的存在であった住人から地区が譲り受けた古民家を、約3年にわたる改修期間を経て復活させたもの。プロジェクトの一環として、「古民家リノベーション講座」を地元大工を講師に招いて開いたほか、改修資金の一部をクラウドファンディングで調達した。
完成披露イベントでは、地元の祭りで厄よけ祈願のため住民に墨を付けて回るひょっとこ「しょうすけさん」のお面などの祭具や、地域に伝わる古い漁具を展示。毎年秋に開催されるところてん早食い競争などを行う「伊浜トコリンピック」や、地域おこし協力隊の田村ロータス翔音さんが進めるレモン苗木の植樹活動「レモンでも植えよう会」など、最近の地域活動の様子を伝える写真も展示した。
初日の夕方には、同町に住むプロピアニストの加畑嶺さんによるコンサートが行われた。来場者たちは静かな夕暮れ時に、同プロジェクトを通じて復活した約60年前のピアノの音色を楽しんだ。
実行委員長の松本恒明さんは「3年前から地元住民や役場をはじめ、多くの方々の支援を頂き、無事に改修することができた。きれいに張り替えた床や縁側、広い庭へと続くこの空間を、歴史を感じながら地域交流の場としてさまざまな形で活用していきたい」と話す。