自然の中にあるもので必要な道具や環境を作る「ブッシュクラフト」で秘密基地を作るイベントが11月30日、牛原山(松崎町松崎)で開かれ、地域の小学生14人とその保護者12人が参加した。
主催は静岡県賀茂農林事務所(下田市中)とチーム北見フォレストワーカーズ(松崎町伏倉)。イベント運営を担当したチーム北見フォレストワーカーズは、2014(平成26)年に松崎町で設立され、西伊豆地域を中心に荒廃した森林の整備や特殊伐採などを手がける団体で、現在13人の技術者が所属している。
同団体代表の北見仁一さんは「3回目の開催となる今回は山にある身近なものを使い、子どもたち自ら材料を選び秘密基地を作ることをテーマにした」と話す。同イベントは静岡県の「森づくり県民大作戦」の一環で、過去には伐採した枝を使った草木染めやツリークライミング体験を行った。
午前中、牛原山に集合した参加者たちは3チームに分かれ、それぞれどのような秘密基地を作るかを話し合った後、講師の指導の下、木材をのこぎりで切ったり、つるや麻ひもを使って骨組みを組んだりするなどの作業に取り組んだ。
昼休みには、松崎町の山で取れたイノシシを使った「しし汁」が振る舞われ、参加者たちはたき火を囲みながら食事を楽しんだ。昼食の時間には静岡県賀茂農林事務所の職員が、山が荒廃していく仕組みや森林整備の重要性について、イラストを交えて説明した。
午後の作業では、子どもたちが自ら集めた枝や葉を使って壁を作り、飾り付けを行い、思い思いの秘密基地を完成させた。「ここに窓を作りたい」「入り口を丸くかわいくしたい」などの意見を積極的に出し合う姿が見られた。
保護者からは「身近にあるものでこんな本格的なものが作れると子どもが学べたのが良かった。手伝いながら、大人も夢中になって秘密基地作りに参加していた」との声が上がった。
北見さんは「毎年、メンバーも子どもたちと体験することを楽しみに自主的に参加してくれている。今後もこうしたイベントを続けていきたい」と意欲を見せる。