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400年の歴史を持つ「下田太鼓祭り」 名物の太鼓橋や花火に観衆沸く

太鼓橋の様子

太鼓橋の様子

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 下田市街地の夏の風物詩である「下田八幡神社例大祭」(通称=下田太鼓祭り)が8月14日・15日、行われた。

下田の歴史を感じる「なまこ壁」の前を練り歩く御神輿(関連画像13枚)

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 同祭は下田八幡神社(下田市一丁目)の例祭で、約400年前から伝わる歴史ある祭事。きらびやかで重厚な「御神輿(みこし)」、木枠の台に矛や四神などの飾り物を載せた「供奉(ぐふ)道具」、大小の太鼓やちょうちんや鳥居を載せた「太鼓台」が、大勢の担ぎ手たちの「ほりゃ、ほりゃ」と威勢の良いかけ声とともに市街地を練り歩いた。

 期間中は昼間から夜までさまざまな催しが執り行われ、下田市民だけでなく下田に帰省した人、観光客など多くの人出でにぎわい、街中が熱気に包まれた。

 見せ場の一つが、11基の供奉道具を縄で結んで一列につなぎ、左右から押し合って巨大なアーチを描く「太鼓橋」。2日間で計12回行い、時にはバランスを崩して傾いてしまう場面もあったが、力を合わせて美しい橋が架かると、観客からは特に大きな声援や歓声が上がった。

 14台の太鼓台が一堂に会し、三味線の音色に合わせて打ち鳴らす「そろい打ち」では、迫力ある演奏が披露された。祭の締めくくりとなる「宮入り」では、下田八幡神社に戻ろうとする供奉道具や御神輿と、簡単には通させまいとする宮司らとのせめぎ合いが繰り広げられ、担ぎ手と観客が一体となって大きな盛り上がりを見せた。

 昨年は台風の影響で中止となった納涼花火大会も開催。下田港付近から花火が打ち上げられ、太鼓や笛の音曲とともに下田の夜空を彩った。

 両日とも街中では、祭りを盛り上げようと出店するさまざまな露店が見られた。ゲストハウスやコワーキングスペースなどの機能を持つ複合施設「Kazemachi SHIMODA(風まち下田)」(武ガ浜)では、コーヒー焙煎(ばいせん)所「アノヒノコーヒー」(吉佐美)が初のかき氷屋台を出店。富士山の天然水をゆっくり凍らせた純氷と自家製シロップを使ったこだわりのかき氷を提供した。

 今年は執行部がフェイスブックとインスタグラムの公式アカウントを立ち上げたり、祭典の運営費を集めるための寄付サイトを初めて立ち上げたりするなどの新たな試みも行った。特にインスタグラムは8月に入ってからフォロワー数が一気に200人以上増え、現時点のフォロワーは700人を超える。さらに、昼間の太鼓台巡行を減らしたり、奉仕者たちに経口補水液を配ったりするなどして熱中症対策を徹底しながら運営する姿も見られた。

 祭りを無事に追えた奉仕者たちからは「今年も皆さんの支えのおかげで祭りを行うことができた」「無事に終わってホッとしている」などの感想や、「来年はさらに熱い祭りにしたい」などの意気込みが聞かれた。

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