下田市地域おこし協力隊で不定期営業のカレー店も営む野添裕紀さんが下田の甘夏を使ったクラフトコーラシロップ「なみまちクラフトコーラ」を開発し、7月27日、販売を始めた。
伊豆のかんきつと8種のスパイスを調合した「なみまちクラフトコーラ」
埼玉県出身の野添さんは2022年10月、下田市地域おこし協力隊に着任した。地域おこし協力隊の活動と並行して、下田に来る前から趣味だったカレーの知識を生かして2023年5月、旬の食材とスパイスを使ったスパイスカレーの専門店「ヨナヨナカレー研究所」を開店。コミュニティースペース「あたらよ」(下田市二丁目)を利用し、月2~4回のランチタイム営業を重ねてきた。
スパイスの調合という共通点から、以前からクラフトコーラを自作し、カレー店で振る舞ってきた野添さん。販売に踏み切った背景について、「下田に移住し、伊豆で取れるかんきつ類の種類の多さとおいしさに驚いた。併せて、移住体験ツアーなどの地域おこし協力隊の任務を通じて、耕作放棄地や農家の高齢化などのさまざまな問題を知った。伊豆は海も魅力的だが、山も美しい。クラフトコーラをきっかけに伊豆のことを知ってもらえたらうれしい」と話す。
今回販売を始めた「なみまちクラフトコーラ」(大=250ミリリットル、2,090円、小= 90ミリリットル、1,320円)は、伊豆のかんきつと8種のスパイスを調合したシロップ。炭酸水で割って飲む。原材料となるかんきつは季節に合わせて変える予定で、今回は下田産の甘夏を使っている。
商品名には「下田の海でキラキラと光る水面を眺めながら、次の波を待っている時のわくわくした、それでいてリラックスした気持ちを込めた」という。ラベルのデザインは、下田在住のイラストレーター土屋尊司さんが手がけた。
「カレー店は露天での営業を増やしている。クラフトコーラは初回製造分の売れ行きを見て今後の方向性を決めていきたい」と話す野添さん。「今後もさまざまなことにチャレンジしていきたい」と意欲を見せる。
クラフトコーラシロップは同日から、道の駅「開国下田みなと」(外ケ岡)と農作物直売所「旬の里」(河内)で販売。順次、販路を拡大していくという。