植物をテーマにした展示会「Green invader(グリーンインベーダー)」が現在、東伊豆町稲取の古書店兼ギャラリー「bookend(ブックエンド)」で開催されている。アーティストの中村研一さんと伊東市内の造園業者がタッグを組み、「雑草」という切り口から自然と人間の境界線を問い直す作品を展開する。
本棚前のスペースにはコンテナを利用した展示が並ぶ(関連画像11枚)
作者の中村さんは東京芸術大学大学院を修了し、同大で講師を務めていた経験も持つ気鋭の作家。コロナ禍を機に伊豆市へ移住し、植物への深い関心から、1933(昭和8)年創業の老舗「植民(うえたみ)造園」(伊東市)で働くようになった。
今回の展示では、同社4代目の村山景一さんも協働。東京でランドスケープデザインに携わった経験を持つ村山さんは、中村さんの「雑草という存在の捉え方」に共感し、作品制作に関わった。「雑草をコンセプトに、それが外へ広がっていく様子を表現した。雑草を再定義し、何が必要で何が不要とされるのか考えてほしい」と村山さんは話す。
会場となる「ブックエンド」は、かつてのガソリンスタンドを改装した空間。展示は、野草や樹木を用いた屋内作品と、屋外の駐車場に土を搬入して設けた庭園で構成する。屋外には、庭木を支えるための「地下支柱」という技法を用い、ガソリンスタンドの廃材や造園業の未使用資材を組み合わせた独自の空間を創出している。
同ギャラリーを運営する田邊詩野さんは、今回の取り組みについて、「地元企業が伊豆に来たアーティストを支える事例はまだ多くない。この展示が、地域社会がアートに関わる新しいきっかけになればうれしい」と意義を語る。
中村さんは「人の生活空間と植物の生活空間のせめぎ合いを表現した。この場所そのものが作品の一部で、もともと生えていた雑草や木も生かしている。屋外の緑地と屋内は地続きの展示となっているので、そのつながりを見てほしい」と呼びかける。「群生している雑草も、一本一本を見るとそれぞれ違う」とも。
今後の展示は、4月23日~25日、29日~5月2日に開く。開催時間は12時~18時。