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下田市の無形文化財「鬼射祭」 弓矢で的を射抜き五穀豊穣・無病息災祈る

下田市の無形文化財「鬼射祭」

下田市の無形文化財「鬼射祭」

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 伊豆急行・稲梓(いなずさ)駅から徒歩2分ほどの場所にある落合高根白山神社(下田市落合)で2月11日、地域の伝統行事「鬼射(おびしゃ)祭」が執り行われた。約50人の近隣住民らが参加し、五穀豊穣や無病息災を祈願した。

鬼を退散させるため的を壊す子どもたち

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 鬼射は関西地方を中心に全国で見られる伝統祭。南伊豆地域において弓を射る神事は他にも伝えられているが、500年以上同じ形式で伝承されているのは、この鬼射祭のみとなる。12本の矢を放ち、的に命中した数が多いほどご利益が大きいとされている。

 子どもたちにも伝統を受け継いでほしいと、1990(平成2)年から毎年2月11日の祝日に行われるようになった。神事であると同時に、ドラム缶でたかれた火を囲みながら甘酒を飲むなど、地域交流の場にもなっている。

 神事を進行するのは、区長が務める弓太郎(ゆんだろう)と矢を射る役者2人、介添する酌取(しゃくとり)2人。酌取りが一連の儀式を行いながら役者に弓を授けた後、役者は約28メートル先の的に向かって、1人6本ずつ、計12本の矢を放った。

 今年は12本の矢のうち、半数の6本が的に命中。儀式の最後には鬼を退散させるため、子どもたちが的を取り囲み大ぶりの石を投げて的を壊した。

 「コロナ禍で3年ぶりに見ることができた。久しぶりの神事はうれしい」と、甘酒を振る舞う女性は話していた。来場者には、家内安全のお守りとして手作りの小さな的が配布された。

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