卒業後に就職を希望する地域の高校生を対象に地元企業の経営者らが面接官を務める模擬面接会が8月27日、下田高校(下田市蓮台寺)で開かれた。面接会の後には税金に関する講演会も行われた。主催は下田法人会青年部。
下田銀行の大箸支店長(写真右)も面接官として初参加した(関連画像5枚)
今年で12回目を迎える面接会は、同法人会の石垣直樹事務局長が自身の息子が下田高校に通っていた頃に始めたもの。「先生以外の面接官、つまり社会人との接点を持つことが重要」と話す石垣さん。「生徒たちには、社会人との面接を通じて、生きる力や課題解決力を養ってほしい」と願いを話す。
この日の面接会には12人の生徒が参加。地元企業の経営者ら6人に加え、下田銀行の支店長も初めて参加した。
面接後、「入室の際のあいさつは大丈夫だったか」「質問にうまく答えられていたか」「率直に、自分の面談はどうだったか」といった質問をぶつける生徒たちの姿も見られた。それに対して面接官を務めた経営者らからは「面接の良し悪しよりも自分と言う人間を理解してもらえたのかを考えることが重要」といったアドバイスが送られた。
会を終えた生徒からは「先生との面接とは異なり、社会人との面接では言葉のキャッチボールが多く、いい経験になった」「元気があるとかないとか、そういうものも含めて自分らしく面接を行うことの大切さを感じた」などの声が聞かれた。さらに「社会人になったら仕事を覚えるだけでなく、プライベートも充実させたい」と意欲を見せる生徒の姿も見られた。
午後には「税を通じて社会を考える会」を開催。生徒たちは将来の給料明細を意識し、納める税金が社会にどのように貢献しているのかを学んだ。同法人会青年部の向田典義部長は「この講演会が生徒たちの社会人としてのイメージを深め、将来を具体的に考えるきっかけになれば」と期待を込める。
面接官を務めた静岡銀行下田支店長の大箸武史さんは「従来の教育者だけでなく、経済人の視点も重要だと捉え、今回の取り組みへの参加を決めた。面接練習では生徒たちの入社への思いや志も聞くことができた。それぞれ目標や夢をかなえてほしい」とエールを送る。