
伊豆半島南部を中心に海岸清掃などの環境保全活動に取り組む「伊豆未来塾」が3月9日、「漁師の森づくりプロジェクト」の「第5回植樹イベント」を南伊豆町一色の町有林で開いた。
同プロジェクトは、山を整備し、川や海の環境を保全することで南伊豆の漁場の漁獲量回復を目指す取り組み。今回のイベントには、近隣住民や町役場関係者、伊豆漁協の組合員など約40人が参加し、1ヘクタールの休耕地に三菱UFJ環境財団から寄贈されたクヌギの苗木2000本を植えた。植樹した苗木には、参加した子どもたちが目印としてテープを巻き付け、今後の下刈り作業時に誤って伐採されるのを防ぐ工夫を施した。
伊豆未来塾代表の石川憲一さんは「2021年から、クヌギを中心に町内の休耕地へ累計1万本の広葉樹の苗木を植樹してきた。苗木は3年ほどでしっかり根を張るが、鹿などの獣害により育たないものもある。来年以降は植樹活動をいったん休止し、防護ネットを設置しながら、苗木が順調に育つよう雑草や雑木の刈り払い、補植を行い、森づくりに取り組んでいきたい」と話す。
三菱UFJ環境財団の事務局部長・肥田信博さんは「当財団はこれまで全国各地で累計120万本の苗木を寄贈し、植樹活動を支援してきた。豊かな海の保全を目的とした植樹活動は全国でも珍しい。この活動が先行事例となり、認知度が上がることで他の地域にも広がっていけば」と期待を寄せる。