
耕作放棄地を活用したレモン栽培を広げる植樹イベント「レモンでも植えよう会」が2月23日、南伊豆町伊浜の耕作放棄地で開かれた。
伊浜地区は南伊豆町の西海岸を一望できる景勝地で、マーガレット栽培が日本一のシェアを誇っていた時期もあった。過疎化が進み、かつては美しい段々畑だった場所が元の山に戻りつつある中、地域おこし協力隊の田村ロータス翔音(ショーン)さんが中心となって、約3年半かけて耕作放棄地に500本のレモンの苗木を植樹してきた。
今回で7回目を迎える植樹会には町内外から約30人が集まり、レモンの植樹や防風ネットの設置に汗を流した。作業を終えた参加者たちには、老人会「ドーナツの会」など地元有志たちが、ゆでたてのうどんやおにぎりを昼食として振る舞った。
午後には約3年のリノベーションを経て地域コミュニティースペースとして再生した古民家「旧大家邸」の完成を祝い、地元住民も加わって餅まきが盛大に行われた。
田村さんは今月いっぱいで地域おこし協力隊の任期が終了するが、その後も伊浜を拠点に旧大家邸の運営やレモン栽培を続けていくという。最近は海辺でニワトリの平飼い飼育も始め、取れた卵を「Seasonal Farms」と名付けたブランドで販売している。
さらに、元旅館だった自宅を改修してゲストハウス開設の準備も進めている田村さん。「人とのつながりを大切にしながら、農業だけでなくさまざまな活動を通じて地域の活性化や、国内外からの観光客誘致、移住支援に取り組みたい」と思いを語る。