「女性がイノベーションを生む町で、女性活躍の鍵を探ろう!」と題し、地方での女性活躍を探るイベントが12月13日・14日、東伊豆町で開かれた。
パネルディスカッションで発言する岩井茂樹町長(関連画像8枚)
主催は東京と東伊豆を拠点に地方創生に取り組む「ローカルデザインネットワーク」(東伊豆町稲取)。企画とファシリテーターを担当した鈴木市川美和さんは東伊豆町出身。「東伊豆には女性のアイデアが関係人口創出につながった事例が数多く存在する。これは隠れた宝物なのでは、と考えた」と背景を話す。
初日は旧稲取幼稚園「よりみち135」(稲取)でトークイベントを開催。町内や首都圏から30人が参加した。
前半は町内で事業や活動に取り組む3人の女性が登壇。「熱川バナナワニ園」(東伊豆町奈良本)4代目園長の神山浩子さんはXで累計15万「いいね」を獲得した人気メニュー「大福ワニ」の開発経緯を、「伊豆稲取キンメマラソン」実行委員長の西塚良恵さんは今年で7回目を迎えた同大会の企画背景を、「海一望 絶景の宿 いなとり荘」の山中綾さんは宿泊予約を増やすためのウェブ戦略を、それぞれ紹介した。
後半は「地域活性化」「ウェルビーイングな町」をテーマとしたパネルディスカッションを開催。岩井茂樹東伊豆町長、「プロティアン・キャリア協会」(東京都新宿区)の有山徹さん、「行政協働研究所」代表の佐藤幸俊さんらをパネリストに迎え、男女共同参画のまちづくりに関する議論を行った。
岩井茂樹町長は「今回の登壇者は、静岡ひいては日本の課題解決モデルを作るための大事なメンバー。意見を取り入れながら町を変えていきたい」とコメント。有山さんは「地域に根ざしている女性が、自身の感情を大事にしながら地域の資産を生かすという掛け算によってイノベーションが生まれたのでは」と分析。佐藤さんは「3人とも共感を軸に動いていて、その共感が男女関係なくイノベーションを生んでいる」と話した。
トークイベントを終え、東京から来た浅川人美(ひとみ)さんは「男性と女性の取り組み方の違いにショックを受けた」、同じく東京から来た星野誠さんは「感動を力にして相手に伝えていくという考え方を参考に、ビジネスを展開していきたい」と、それぞれ感想を話した。
2日目は稲取伝統の「ひなのつるし飾り」を作るワークショップを開催。「ひなのつるし飾り」は江戸時代に高価とされていたひな人形を手作りしたことから始まった風習で、稲取のつるし飾りは「日本三大つるし飾り」に認定されている。
「トークイベントでは、登壇した3人の心からの言葉が参加者に響いた手応えがあった。2日目のワークショップでは、地域の女性たちが文化の継承のために活動していることを知ることができた」と振り返る鈴木さん。「ぜひ女性の力を町政に生かしてもらえたら」とも。
東伊豆町企画調整課の門前智美さんは「行政も協力し、東伊豆を好きになってくれる人を一人でも増やせれば」と意欲を見せる。