伊勢エビを特産品の一つとする南伊豆町で9月16日、伊勢エビ漁が解禁された。翌17日早朝には下流漁港(南伊豆町下流)で今期初の水揚げが行われた。
同港では、前日に仕掛けた網を漁船2艘が引き揚げ、網にかかった伊勢エビを「かぎ」と呼ばれる道具で、地元住民や漁港関係者が手際よく外す姿が見られた。触覚や脚が折れると値段が下がってしまうため、一匹ずつ丁寧に網から外していく。
夜行性でわずかな光にも敏感に反応する伊勢エビの習性に合わせ、通常の伊勢エビ漁は新月の日を中心に行う。満月を挟む10日間は漁はしないのが通例だが、今年は県条例で9月16日が解禁日となったため、満月の前日だったが解禁初日なので網を入れたという。
この日の漁獲量は前年の解禁初日より51%少ない41.9キロ。「近年は水温上昇で伊勢エビの餌となるカジメ(海藻)が減っている。これから漁獲量が増えることを期待したい」と話す。「満月の前日に漁をしたことも影響しているのでは」とも。町内で水揚げされた伊勢エビは、直売所などで販売する。
南伊豆町観光協会では10月5日~11月30日、同協会を通じて伊勢エビを提供する宿を予約すると抽選に参加できる「伊勢海老(えび)まつり」を開く。抽選で宿泊補助券や伊勢エビ、石廊崎オーシャンパークでの買い物券などが当たる。