下田青年会議所が主催する講演会「音からはじまる地域のかたち」が1月12日、「萬法山 帰一寺(きいちじ)」(松崎町船田)で開催された。
講師を務めたのは河津町にある「栖足寺(せいそくじ)」の住職である千葉兼如さん。プロサックス奏者として活動していた千葉さんだが、妻の実家を継ぐ形で仏門に入り、寺の敷地でのフリーマーケットや、お経と音楽と照明を組み合わせたライトアップ演奏会など、町の活性化にも積極的に取り組んできた。さらにユーチューブでのサックス演奏を交えた音楽法話の配信など、新たな形で仏教の教えを広める活動にもチャレンジしている。
今回のイベントは「地域のさまざまな団体や個人をつなぐ機会をつくる」ことを目的に開催され、まちづくり活動に取り組む地域団体や近隣住民など、オンライン含め50人以上が集まった。
講演会の前半では千葉さんの自己紹介の後、賀茂地域各地の活性化イベント事例を共有。「ほしそらシネマizu」(東伊豆町)や「田んぼをつかった花畑 」(松崎町)などを例に挙げ、「仏教に『看脚下(かんきゃっか)』という言葉がある。これは『自分の足元を見つめなさい』という意味。地域に目を向ければ、このような素晴らしい取り組みがたくさん生まれてきている」と話した。
後半は「一つ一つの存在が融合していくことで大きな力になる。各市町での取り組みが連携していくことで、賀茂地域がさらに活性化していくはず」と話し「そのつなぎ役となるのが下田青年会議所。地域の架け橋として力を発揮してほしい」と期待を込めた。
質疑応答のコーナーでは、東伊豆町の参加者から「ぜひ次回の『ほしそらシネマizu』で千葉さんとコラボしたい」との申し出があった。
同イベントでは千葉さんが取り組んでいるライトアップ演奏会の体験として、音響とプロジェクションマッピングも交えた笛やサックスの演奏も披露した。千葉さんは「光は仏の慈悲の心を表すものとされてきた。最新技術を取り入れることで、仏教の教えをより深く理解できると考えた」と趣旨を説明。参加者からは「音と光の融合に感動した。千葉さんの演奏も素晴らしい」などの感想が聞かれた。
締めのあいさつで下田青年会議所の渡邉祐介理事長は「地域のプレーヤーが一緒に楽しみながらつながる機会を今後もつくっていく」と話した。「熱意のある若者は、ぜひ下田青年会議所の門をたたいてほしい」とも。