着付けを通して日本の伝統文化を学んでもらおうと、下田市立下田中学校(下田市敷根)で6月24日、浴衣の着付け体験が行われた。
家庭科の授業の一環として行った。着物について知り、実際に触れることで、日本の伝統文化を学ぶことが狙い。昨年、初めて同校で着付け体験を行ったところ、生徒たちから「楽しかった」という声が多く上がったため、今年も行うことになった。
今回は同校3年の男女70人が体験。講師はスナック「房州屋」(三丁目)のママで、市内で着付けを教えている松本里子さん。松本さんの生徒や仲間たちで作る「着物愛好会」のメンバーも手伝いとして参加した。体験会はクラスごとに男女別々の教室に分かれて行い、男子は松本さん、女子は市内の美容院で着付けをしている須田小織さんが担当した。
慣れない着物の着方や、帯の結び方に苦労しながらも、講師たちの助けもあり、全員が時間内に着付けを終了した。一人一人記念写真を撮り、髪飾りを付けた女子生徒は「かわいい」「きれい」と鏡を見たり、友達同士で見せ合ったりした。男子生徒も腕組みをして記念撮影するなど、初めての着付けを楽しんだ。
着付けが終わった後は、浴衣の畳み方も学習。浴衣のきれいな畳み方や帯のしまい方など、一人一人に講師がついて教えた。
「着物は縦と横の直線だけでできているので、サイズに関係なく、誰にでも合わせることができる。古くなれば寝巻きや布おむつにして、最後は雑巾にするなど、無駄なく使えるエコなもの」と、松本さんは昔の日本人の生活の知恵についても説明した。
体験に参加した生徒の一人は「着付けは難しかったけど、とても楽しかった」「着物を着ると気分がシャキッとする。またやりたい」と話していた。