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新たな特産品「下田ブルー」が販売開始から1年 移住者が作る幸せの青い卵

「下田ブルー」を産む鶏を育てる稲田健吾さん・みのりさん夫婦

「下田ブルー」を産む鶏を育てる稲田健吾さん・みのりさん夫婦

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 伊豆急下田駅から車で約10分、国道135号から入る下田ビューホテル裏の山道を走った場所にある養鶏場「farm1987(いちきゅうはちなな)」(下田市柿崎)が自然養鶏卵「下田ブルー」の販売を始めて1年がたった。

のびのびと放し飼いで育てられる鶏たち

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 同養鶏場を営む稲田健吾さん・みのりさん夫婦は4年前、海の近くでカフェを開くことを目指して兵庫県から下田に移住。カフェで出すメニューのために鶏を飼い始めたところ、鶏のかわいさに魅了され養鶏場を始めた。

 飼育している鶏は、栄養価が高く青色の卵を産むのが特徴の「アローカナ」という品種。 購入した約2000坪の耕作放棄地を自分たちの手で開拓し、当初8羽で始めた養鶏場では現在500羽の鶏を育てるまでになった。

 稲田さん夫婦は「かわいい鶏たちをギューギューのケージに入れて飼うことはできない」という考えから鶏を放し飼いで育て、さらに下田の海の幸や山の幸も使った自家製無添加発酵飼料を与える。そんなこだわりをもって育てた鶏たちが産む卵には、日本食品分析センターが調べたところによると、オメガ3と呼ばれる不飽和脂肪酸が一般の卵の4倍も含まれることが明らかになった。

 「下田ブルー」の名で販売している卵は6個入り972円と通常の卵に比べて高価だが、「インターネットを通じて全国から注文が入る」という。下田市周辺の直売所でも販売しているほか、商工会議所が推進する「下田ブランド」にも選ばれ、さらに下田市のふるさと納税返礼品としても取り扱われている。

 みのりさんは「最初は1個150円もする卵を買ってもらえるのか不安だったが、この1年でだいぶ落ち着くことができるようになった」と話す。

 健吾さんは「当初のカフェ開業の夢は変わらない」としながらも「猟師の資格を生かしてイノシシ肉のジャーキーなども販売したい」と今後へ意欲を見せる。

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