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下田の中学生が市内でものづくり体験 地元職人から地域産業を学ぶ

相馬さんの指導の下、手染めを体験する中学生たち

相馬さんの指導の下、手染めを体験する中学生たち

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 下田市立下田中学校(下田市敷根)の3年生を対象としたワークショップ「下田の職人さんから学ぶものづくり体験」が6月7日、市内のさまざまな事業所で実施された。

中学生たちが顔料を絵筆で絵付けしていった(関連画像6枚)

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 体験を通じて下田の産業を知り、活躍する職人と触れ合うことで、故郷と自分の未来を考えるきっかけにすることを目的とする同ワークショップ。校外での実習で地域の大人たちと接する中で、社会的マナーやコミュニケーション力を養うことも狙いの一つとしている。体験コーディネートには下田市産業振興課が携わり、講師料や材料費などの体験費用は全て市からの補助金で賄う。

 受け入れ先の事業所は菓子製造、木工、被服、製造小売業など約20カ所。同校139人の中学3年生はグループに分かれ、各事業所で用意された体験メニューに取り組んだ。

 旧町内にある事業所の一つ「相馬京染店」(下田市二丁目)では、4人の生徒が「肉襦袢(にくじゅばん)染め体験」に挑戦。毎年夏に行われる伝統祭「下田八幡神社例大祭」の奉仕者が身に着ける肉襦袢に、手作業で染めを施す作業を体験した。

 店の裏手にある作業小屋の前の屋外スペースに素地となるさらし布を設置し、顔料を絵筆で絵付けしていく。作業を体験した中学生の槙野悠斗さんは「絵を描くことが好きで希望した。本物の作業は楽しい」と感想を述べた。

 例大祭で使われる肉襦袢の製作を一手に引き受ける老舗の店主である相馬正明さんは、今回の体験について、「市から何度も依頼されたが、悪天候や感染症の蔓延のために見送ってきた。今回やっと実施できてホッとしている」と話す。

 中学生たちが染めを施した反物は法被に仕立て、生徒たちに進呈する予定だという。

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