松崎町の春の風物詩「田んぼをつかった花畑」が終盤を迎えている。花畑神社の願い札や地域資源NFTの販売などの新たな取り組みが活発に行われている中、5月1日~5日には恒例の花摘みを開く。
「花とロマンの里」を標榜する松崎町で2000(平成12)年に始まった同イベント。当初は松崎町が主導していたが、2019年から有志による松崎花畑実行委員会が主催するようになり、町・観光協会・松崎かかしクラブや町民有志の協力を得ながら運営している。
同イベントでは、松崎町那賀地区の約3万平方メートルの広大な農閑期の田んぼを花畑として活用。毎年2月中旬からゴールデンウイークまで、アフリカキンセンカ、ルリカラクサ、ヒメキンギョソウ、ツマシロヒナギク、ヤグルマソウ、ヒナゲシなどの花が順番に咲き、観光客や地元住民を楽しませている。花畑の一角には毎年恒例の等身大のかかしを設置しているほか、3月下旬~4月上旬に運行した花畑と町の中心部を結ぶグリーンスローモビリティーや、花畑の中の神社に願い事を書いた絵馬を捧げる「願い札」などの新たな取り組みも行っている。
花畑を訪れた人からは「きれいな風景の中で、ゆったりとした時間を過ごすことができた。どこか懐かしい感じがして心が和んだ」「たまたま立ち寄ったが、すてきな景色と足湯に癒やされた。桜が咲いている時期にも来てみたい」などの声が聞かれた。
実行委員会の端山智充会長は「昨年7月の種の買い付けから始まって、ようやくここまで来られた。種まきイベントをはじめとして、関わっていただいた町内外の皆さまに感謝したい」と話す。「これからもこの事業の継続的な発展のため、多くの人に関わってもらいたい」と呼びかける。
さらに新たな取り組みとして、自身が花畑で撮影した写真をポスターカレンダーにできる権利などを付与したNFTの販売にも取り組む。NFTを主導する実行委員の神健一さんは「『田んぼをつかった花畑』を持続可能なものにするため、新たな挑戦を重ねていく」と意欲を見せる。
開催は5月5日まで。