謎解きをしながら街歩きを楽しめる「憶(おも)いは海の向こうに」が現在、下田市旧町内エリアを中心に開催されている。下田市の企業や団体を中心にSNS支援などを行う「しもズブ」と下田市商店連盟が主催する。
参加者は「約束の書」を見つけた主人公になりきり、その中の地図を頼りに下田の街なかを巡る。指定されたポイントには謎解きを設置し、イベント専用LINEアカウントに回答を送ると、ヒントや次の行き先を受け取ることができる。
イベント実施の経緯について、実行委員の塚田エレナさんは「下田のワーケーション施設をよく使う仲間たちと、関係人口として街のために何かしたいと常々話していた。冬の下田に訪れる人が増えるイベントにしたいと企画した」と話す。「中小企業庁の『面的地域価値の向上・消費創出事業』の補助金を活用するため、8人で申請書作成や企画などを進めていった」とも。
「ただ街を歩くだけでなく、下田の人との接点を作りたかった」という塚田さんたちが工夫したのが、謎解きを商店街の店の軒先に設置したこと。商店街向けの説明会や設置場所への個別の案内などを通じて、店主たちには訪れた人たちと会話をすることもお願いしたという。
開始から20日ほどが過ぎ、参加者は約200人。うち約60人がクリアした。各地のさまざまな謎解きイベントを巡っている人たちの参加も多いという。千葉県在住の40代男性は「下田に2泊していたので、のんびりと2日かけてクリアした。途中でまさかの展開もあって驚いた。最後の質問は自分の生き方を問われているような気がした」と振り返る。
「想定所要時間は2~3時間だが、時間を忘れて楽しめたという声を多く頂いている。謎解きは難しかったという人もいれば、簡単だったという人もいる」と塚田さん。「ちょうど見頃の河津桜まつりに遊びに来て下田に宿泊する人など、ぜひ多くの人に挑戦してみてほしい」と呼びかける。
参加無料。スタートキットは事務局(下田市2丁目)のほか、伊豆急下田駅・下田市観光協会駅前案内所・下田東急ホテル・ホテル伊豆急で受け取ることができる。ゴールを受け付ける事務局の営業時間は10時~16時。3月2日まで。