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南伊豆の小学生が地元発祥の米「愛国」を栽培 プロと同じ食味試験にも挑戦

食味試験で米の香りを確認する児童たち

食味試験で米の香りを確認する児童たち

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 南伊豆町立南上小学校(南伊豆町下小野)で11月27日、4・5年生13人と水稲栽培指導の地元農家3人による、地元発祥の品種「愛国」を含む4種類の米の食味試験が行われた。

真剣に米の味を試験する児童たち(関連画像8枚)

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 明治時代の米三大品種の一つである「愛国」は静岡県賀茂郡竹麻村(現在の南伊豆町)が発祥の地とされており、「コシヒカリ」「ササニシキ」など多くの水稲品種の祖先として、昭和初期にかけて東日本で広く栽培されていた。

 南上小学校では約15年前から、総合的な学習の時間を使い地元農家を中心とする地域住民グループと協力して「愛国」を栽培している。南伊豆発祥の「愛国」の栽培を通して、地域の歴史や風土を体験的に学ぶのが狙い。

 食味試験は「お米日本一コンテスト in しずおか2023」の審査方法を参考に、児童が栽培した「愛国」に加え、静岡県産の「コシヒカリ」、南伊豆町産の「キヌヒカリ」と「きぬむすめ」の4種類の米を使った。

 品種が参加者に分からないよう、それぞれの米を用意し、研ぎ方や浸水・炊飯時間などの条件をそろえて炊飯。参加者は炊き上がった4種類の米を、外観・香り・うまみ・粘り・硬さ・総合評価の6つの観点で点数を付け、合計点数で米の出来栄えを評価した。

 児童は真剣な面持ちで、それぞれの米の香りや味の違いを確認。「『愛国』は茶色い線が入っていたので見た目で分かる」「苦味を感じるのが『愛国』じゃないかな」などの声が聞かれた。

 参加者全員による食味試験の結果、1位は「コシヒカリ」で、「愛国」は4位の評価となった。

 指導に当たった地元農家は「『愛国』は昔、たくさんの人のおなかを満たせるようにと作られた米。現代では風味をより良くするために改良された米が流通している」と児童たちに説明。さらに「『愛国』はみんなが普段食べている米の先祖であり、その発祥が南伊豆ということをふるさとの誇りにしてほしい」と呼びかけた。

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