下田高校(下田市蓮台寺)茶道部が10月15日、「竜田姫のお茶会」と題したお茶会を、下田市まち遺産にも指定されている「なまこ壁の家『雑忠(さいちゅう)』」(一丁目)で開いた。14人の部員たちが学外での初めての点前の披露に挑戦した。
普段は校内の茶道室で活動を行っている同部では、文化祭で客に振る舞う機会はあるものの、保護者を相手にするのが大半。一般客にもお茶をたてる機会を設けたいと和菓子店「ロロ黒船」(二丁目)に相談し、今回の会が実現した。生徒たちの発案で、秋の女神である「竜田姫」を冠した会とすることを決めた。
当日は午前中に強い雨が降ったものの、会には81人が来場。浴衣姿の生徒たちが、屋敷の奥座敷で茶と菓子を振る舞った。
来場客からは「高校生が一生懸命取り組んでいる姿を見て、自分も茶道をやっていたことを懐かしみながら良い時間を過ごすことができた」「下田市や河津町ではお茶教室を探してもなかなか見つからない。このイベントを通じて、お茶をやっている人とのつながりができた」などの感想が聞かれた。
イベント開催をサポートしたロロ黒船の山田勧さんは「生徒たちの華やかさがたくさんのお客さまを呼んでくれた。下田の歴史的な建物でのお茶会は、雰囲気もぴったりだったと評判。今後もこうした機会をつくっていきたい」と話す。