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下田高校で「トークフォークダンス」 生徒が大人たちと人生を語り合う

参加者集合写真=下田高校で2回目の「トークフォークダンス」

参加者集合写真=下田高校で2回目の「トークフォークダンス」

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 高校生と社会人が次々と席を替えながら対話を行う「下田高校トークフォークダンス」が9月11日、下田高校(下田市蓮台寺)の体育館で行われた。同校1年生約170人と社会人およそ70人が参加した。主催は下田市と同校。

大人が内側、生徒たちが外側にそれぞれ輪を作って対面して座る(関連画像4枚)

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 社会人たちとのコミュニケーションを通じて、地域とのつながりを感じることと、人生をより幅広く考えるきっかけをつくることを目的とする同イベント。同校での開催は昨年度(2月)に引き続き2回目。村木健一教諭は「高校1年生たちに、目の前に迫る文理選択の一助にしてほしいと考えた」と開催時期変更の理由を明かす。

 大人が内側、生徒たちが外側に、それぞれ輪を作って対面して座り、生徒2人対大人1人で前方に表示されるテーマに沿って語り合う。1テーマにつき2分前後の制限時間が経過すると生徒たちは1席ずつ左に移動し、次のテーマが発表される。

 テーマは実行委員の生徒たちが考えたもので「今のマイブームは?」「都会と田舎、どちらに住みたいか?」のように大人と生徒たちが一緒に語り合うものもあれば、「(大人に対して)結婚すべきか?」「(生徒に対して)結婚したいと思うか?」などのように大人が経験談や考えを話した後で生徒たちが自身の展望を語る姿も見られた。

 イベントをコーディネートした静岡県地域づくりアドバイザーの小田圭介さんは「前回開催時はトークフォークダンスを知っている人は誰もいなかったが、今年の1年生たちには事前情報が入っていた。前回よりも実行委員の生徒たちに任せることが大幅に増えた」と話す。「テーマだけでなく、話す順番も生徒たちが考えた。文理選択、大学進学や就職、結婚、人生の意味と人生のステージを意識した流れを作って、より話しやすい雰囲気を作れたのでは」とも。

 参加した社会人は、経営者・公務員・会社員・自営業者など、若手からベテランまで多種多様な立場・業種の人たちが集まった。中には東京や千葉など県外から参加した社会人の姿も見られた。

 参加した社会人からは「1時間以上の間頭をフル回転させてしゃべったので疲れたが、地域の未来を担う子どもたちの役に立てていたらうれしい」「自分の子どもと同世代の生徒たちが何を考えているのか知ることができた」「みんな自分の高校時代よりしっかりと将来を考えている。逆に勉強になった」などの感想が聞かれた。

 生徒たちからは「最初は大人と話が続くか不安だったが、途切れることなく話ができた」「成績が足りないというネガティブな理由で文系を選ぼうと思っていたが、改めて自分が何をやりたいのか考えて選択したい」「好きなことをやるのが大事だと感じた」などの感想が聞かれた。

 村木教諭は「教育に関わることはすぐに効果測定するのは難しいが、トークフォークダンスは終わった後の生徒たちの目の輝きが明らかに違うと感じる。参加してくれた社会人の皆さんには本当に感謝している。毎年開催していければ」と意欲を見せる。

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