日本舞踊の師範と下田芸者たちから日本舞踊や三味線を学ぶ講座「下田で和体験しませんか?」が9月9日・10日、「なまこ壁の家・雑忠(さいちゅう)」(下田市一丁目)で始まった。
同講座は、下田に移住してきた人や下田の歴史に興味のある人に向けて、土地の伝統文化に触れる機会を作るために企画。主催は下田伝統芸能普及促進委員会。踊りコースと三味線コースそれぞれの講座を、この両日を皮切りに12月まで各月1回ずつ開く。
9日の踊り体験には13人が、翌10日の三味線体験には5人が、それぞれ集まった。遠くは茨城県からの参加者もいた。踊りは花柳流師範・花柳春涛(しゅんとう)さんが、三味線は春日とよ実奈美さんが、それぞれ講師を務める。
講座は2部構成で、前半は下田芸者たちが舞う「下田節」「唐人お吉」の鑑賞と、コーディネーター春日とよ実奈美さんの話を通じて踊りの意味や下田の歴史を学んだ。約400年の歴史を持つ下田節は、風待ち港としてさまざまな土地の人たちが集まりにぎわった下田に、九州発祥の「ハイヤ節」が伝わったものが元になっていることなどが説明された。
講座の後半では「さくらさくら」を課題曲として、和の初歩を学んだ。9日の踊りコースでは、講師の手本を見ながら、踊りや所作を繰り返し練習。下田芸者たちも参加者のグループに混じって参加者たちの指導に当たった。最初はぎこちなかった参加者たちも、1時間ほどたつと動作を覚え、笑顔を見せながら踊りを楽しむ姿が見られた。翌10日の三味線コースも同様に、講師と下田芸者たちが指導しながら、参加者たちは課題曲を繰り返し練習した。
西伊豆町から三味線コースに参加していた女性は「新聞で講座のことを知った。三味線には前々から興味があったので、このような体験機会があるのはうれしい」と話していた。
次回は、三味線コース=10月14日、踊りコース=同15日。会場は下田中央公民館。いずれも10時30分~13時。次回からの参加や単発参加も可能。参加無料。申し込みは下田伝統芸能普及促進委員会(TEL 090-7912-4984)まで。