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南伊豆に新アートスペース 「空想の虫」描く画家くぼやまさとるさんが開設

画家・くぼやまさとるさん(右)と妻の薫さん(左)

画家・くぼやまさとるさん(右)と妻の薫さん(左)

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 自然をテーマに独創的な作品を制作する画家・くぼやまさとるさんが11月16日、自身の作品を展示する新たなギャラリー「まじっくらんどアート」(南伊豆町上賀茂)をオープンした。

「まじっくらんどアート」室内の様子(関連画像7枚)

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 東京都出身のくぼやまさんは1986(昭和61)年ごろ、知人の紹介で南伊豆町一条の山間部にある物件に移住。自ら改築したアトリエを拠点に、南伊豆の豊かな自然環境から着想を得た作品作りを続けてきた。特に「空想の虫」をテーマにしたシリーズは人気が高く、昆虫図鑑を読み込んだ幼少期の関心と、観察を重ねる学者的な視点を組み合わせた独自の世界観が、くぼやまさんの作品の特徴となっている。

 「自然は自分の空想をはるかに超えている。こんな虫がいたら面白い、と描いたものに似た生物が実際にいることもある」と話すくぼやまさん。架空でありながら、生態の一貫性を考慮して「もう一つの自然」を描く姿勢は、科学と芸術の境界を軽やかに横断する。「学問とアートは本来つながっていていい。創作はもっと有機的であっていい」とも話し、幅広い視点を融合させた制作スタイルを貫いている。

 新ギャラリーでは、こうしたテーマに基づく新作や代表作を常設展示し、南伊豆の自然や文化から得たインスピレーションを取り入れた作品も順次公開する予定。ギャラリー名「まじっくらんど」には「日常の中に潜む不思議や驚きを見つけてほしい」という思いを込めたという。

 館内は木材を生かした温かみのある空間で、今後は絵画展示に加え、マグカップや文具の販売、地元作家との協働企画など、地域とともに育つ場づくりも検討している。「南伊豆の自然に触れながら、ゆっくりと作品の世界に浸ってもらいたい」とくぼやまさん。移住から約40年を経て、新たな拠点から作品の魅力を発信する。

 営業時間は11時~17時。木曜・金曜定休。入場無料。

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