
南伊豆の築100年以上の古民家をリノベーションしたゲストハウス「萬事院(ばんじいん、英名=Bungee Inn)」(南伊豆町一色)がオープンして、7月1日で3カ月がたった。
オーナーは東京都杉並区出身の原仁さん。2018(平成30)年に南伊豆町吉田でデジタルデトックスをしながら過ごした体験をきっかけに移住を決意。アーティチョークを育てたいと畑付きの物件を探し、現在の場所にたどり着いた。
屋号の「萬事院」は、原さんの座右の銘「人間万事塞翁(さいおう)が馬」にちなんで名付けたもの。「一時的な幸運や不幸に一喜一憂すべきではない」という思いを込めた。
母屋は大正時代に建てられた築100年以上の建物。読書室や茶室などを備え、時代を超えた趣を残しながらも快適に過ごすことができる空間とした。離れは「大正ロマン」をテーマに内装を施し「クラシカルな雰囲気の中で非日常感を味わうことができる」という。
自身がトライアスロンをすることから「サイクリストやアスリートの休憩所としても使ってほしい」と話す原さん。外国人客にも楽しんでもらえるよう、読書室には英語の漫画も置く。茶道や書道、着付けの体験ワークショップも案内可能だという。
同施設のもう一つの特徴は「サステナブルステイ」の考え方に基づいた運営スタイル。「過剰な快適さを追求するのではなく、自然環境と調和しながら『本当に必要なもの』に立ち返る滞在体験」を提案する。「例えば、シーツにはアイロンをかけず、天日干しで自然の香りを感じてもらえるようにしている。電気やガスの使用も必要最低限にとどめている」と原さんは話す。
宿泊料金は素泊まり、1人9,900円、2人まで=1人7,700円、3~4人=1人5,500円。