
下田ガス(下田市中)が2月27日、稲梓県営林(下田市須原)で創出されたJクレジットを購入したことを発表した。静岡県によるJクレジット販売は今回が初。
1960(昭和35)年創業の下田ガスは、下田市と賀茂郡を中心に都市ガス事業やLPガス事業に取り組んでいる。1970(昭和45)年に静岡ガスと業務提携し、現在も静岡ガスグループの一社として名を連ねている。
同社では2023年1月に下田市と「SDGsとカーボンニュートラルを先導し持続可能なまちづくりの推進に関する連携協定」を締結するなど、環境に配慮した経営に力を入れている。
Jクレジットは、森林管理や省エネルギー設備の導入によるCO2吸収・削減量を、国が「クレジット」として認証する制度。企業はJクレジットの購入を通じて、事業活動で排出する温室効果ガスを相殺(カーボン・オフセット)することができる。
同社では、今回購入した10トン分のクレジットをカーボン・オフセット都市ガスに活用し、下田まち遺産にも認定されている観光地「ペリーロード」を照らすガス灯に供給する。
同社の名倉哲士社長は「下田市内で初めてのJクレジット創出に関われるのは光栄なこと。地域の事業者として、環境価値の地域内循環を推進していきたい。まずはカーボンニュートラルなガス灯を通じて、地域の森林保全に貢献していく」と力を込める。