
東伊豆町の土産物を展示し、QRコードから注文と配送手配ができる無人土産店「dozo(ドーゾ)」が現在、町内4カ所の観光スポットに実証実験として配置されている。
同サービスは、ブランド開発やソフトウエア開発に取り組む「ニューピース」(東京都港区)が、東伊豆町や東伊豆町観光協会と連携して提供するもの。インバウンド観光に関わる課題解決を目指し、自治体とスタートアップ企業をマッチングする「SHIZUOKA INBOUND TOURISM INNOVATION 2024」の一環で行う。観光スポットの分散化が進み、土産物購入の機会損失が課題となっている東伊豆エリアの観光客の周遊を促進し、地域の魅力をより多くの人に伝えることを狙う。
「お土産BOX」を設置しているのは、稲取細野高原、稲取文化公園、熱川温泉旅館組合、熱川バナナワニ園の4カ所。伝統工芸のひなのつるし飾り、特産のニューサマーオレンジを使った菓子や飲料、東伊豆産クロモジのお茶、熱川バナナワニ園のオリジナル商品などを展示する。
利用者は「お土産BOX」に掲示されているQRコードをスマホで読み取ることで、気に入った商品を購入できる。購入アプリは多言語に対応し、海外からの観光客もスムーズに買い物ができるようにする。購入した商品は、帰りに受け取るか、配送してもらうかを選ぶことができ、観光時に土産物を持ち歩く必要がない。国内配送料は無料で、土産物は1つから購入できる。
東伊豆町観光協会の青嶋優太郎さんは「今回の実証実験は、無人で対応できる仕組みを導入することで、人手不足が懸念される地方観光業への取り組み。地方の魅力が凝縮された土産を看板として活用し、観光客への興味につなげたり、まち歩きを促進することを目指している」と話す。「地域資源を生かした持続可能な観光モデルの構築や、観光地の新たな価値創出につながることを期待している」とも。
実証実験は2月28日まで。