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東伊豆・稲取でアートフェス 地域住民と作ったポルトガルタイルなど展示

「湊庵 路考茶」の展示を見学する参加者の様子(写真提供=荒武優希)

「湊庵 路考茶」の展示を見学する参加者の様子(写真提供=荒武優希)

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 町を歩いてアートに触れるイベント「第2回イナトリ・アート・フェス」が現在、東伊豆町稲取地区の古民家再生物件などを会場に開かれている。

事前ワークショップを経て完成したポルトガルタイル(関連画像8枚)

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 「アーツカウンシルしずおか」が主催し、同地区を中心に空き家再生を手がける「so-an」が企画運営する同イベント。「湊庵 路考茶(ろこうちゃ)」「ダイロクキッチン」「すみんこカフェ」「ようよう」「よりみち135」(以上、東伊豆町取)を会場に、さまざまなアート作品を展示する。

 昨年に引き続き同イベントのディレクターを務める癸生川栄(きぶかわえい)さんは「地域の人にも楽しんでもらえるよう、参加型の作品を多く展示している。アートフェスは作家が来て地域を掘り下げる形式が一般的だが、地域の人が地域を掘り下げるのは珍しいのでは」と話す。

 so-an代表の荒武優希さんは「アートフェスの魅力は、アーティストによる新しい視点で地域の可能性や魅力を発見できるところ。地域住民には『そういう見方もあるんだな』と楽しんでもらえたらうれしい。観光客には作品やイベント会場に在廊する地域住民との交流を通じて、稲取をより深く知ってもらえれば」と意気込みを見せる。

 最も力を入れている展示作品は、ポルトガルの伝統的なタイル「アズレージョ」。昨年10月に旧稲取幼稚園「よりみち135」で実施した「稲取のアズレージョをつくろう! ワークショップ」で参加者が絵付けしたタイルを、講師を務めたアズレージョ作家・白須純さんが2枚の絵画に仕上げた。郷土の偉人・西山五郎ゆかりの屋敷をリノベーションした宿泊施設「湊庵 路考茶」で展示している。

 さらに「湊庵 路考茶」では、建築家・安部良さんが監修する新しい道づくりの様子も見学できる。「稲取ならではの魅力が後世に残るような道を作りたい」との思いから、余剰資材などを生かしパッチワーク状の道づくりを進める。道づくりにはアートフェス運営メンバーをはじめ、地元の建設業者などが有志で参加。松崎町のジオガイドで静岡県森林環境学習指導員の渡辺攻(すすむ)さんも庭の設計に携わる。癸生川さんは「地域を問わず、会場にふらっと訪れてくれた人が道づくりを手伝ってくれている。徐々に参加者の輪を広げていければ」と話す。

 その他にも、町の人が話す声とヒップホップ音楽を融合した音声作品や「ひがしいずまち郷土かるた」など、町の営みを素材にした作品が各会場に展示されている。

   会場の一つ「すみんこカフェ」では、ポルトガルの伝統菓子である「エッグタルト」とイベント限定クッキー・ドリンクを楽しめる「ポルトガルセット」(1,000円)を期間限定で販売。セットの注文客向けに、漁師町ならではの屋外水栓タイルに着目した写真をプリントアウトしたランチョンマットも用意した。「タイルはポルトガルと稲取の共通点。港町のつながりを感じてもらえれば」と癸生川さん。

 2月15日は、白須さん指導によるアズレージョの絵付けワークショップを「よりみち135」で開く。アズレージョは焼成後、各会場で参加者への引き渡す。午前の部は10時から、午後の部は14時から。参加費は6,000円(2枚セット)。

 2月22日13時からは、癸生川さんと各展示会場を巡るイベントを開く。荒武さんは「ディレクターの解説を聞ける貴重な機会。参加してより深く作品を知ってほしい」と呼びかける。

 開催時間は11時~16時。火曜定休。入場無料。2月24日まで。

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