下田市の爪木崎海岸(須崎)で12月20日、「第59回水仙まつり」が開幕した。初日にはオープニングセレモニーが開かれ、来場者にはキンメダイの握りずしなどが振る舞われた。
爪木崎は伊豆急下田駅から車で約15分の景勝地。海沿いの遊歩道を歩きながら、白亜の灯台や柱状節理の景観を楽しむことができる。毎年12月下旬に約300万本のスイセンが咲き始め、白く清楚な花の群生と岬全体を包む香りを求め、多くの観光客が訪れる。スイセンは約1カ月間と長期間楽しむことができる。
風もなく温暖な気候の中で行われたオープニングセレモニーでは、松木正一郎下田市長があいさつ。「花の咲き具合がゆっくりなのは自然ならではのこと。祭典期間中はJRの臨時列車も運行する。今年の初めには能登半島の震災もあり観光に大きな影響があったが、能登の人々を含め、多くの人々に来場して楽しんでいただければ」と呼びかけた。
ゲート前でのテープカットの後、須崎海岸では今年も下田市料理飲食組合によるキンメダイの握りずし100食分と、地元須崎区による郷土料理「池之段(いけんだ)煮みそ鍋」200食分が来場者に振る舞われた。
初めて訪れたという浜松市在住の百崎晃さんは「県内を巡りSNS発信をしているが、水仙まつりは初めて。おいしい郷土料理をパートナーと味わうことができて満足」と話していた。「満開になる1月半ばに再訪してみたい」とも。
1月12日、19日、26日には下田太鼓の実演が行われ、先着200人に池之段煮みそ鍋を振る舞う。11日、12日、18日、25日にはJR東日本の協力で、大宮駅から新宿経由で伊豆急下田駅まで運行する「特急 下田水仙まつり号」が走る。2025年からは浦和駅にも停車する予定。特別電車の利用客と市内施設の宿泊客には、サザエのつぼ焼きをサービスする(先着100人。1月12日・19日限定)。
伊豆半島ジオガイド協会による「水仙まつりジオガイドツアー」は予約不要で参加可能。期間中には「伊豆naviスタンプラリー」も開催し、市内の観光スポットや協賛店でデジタルスタンプを一定数集めると、特典が当たる抽選会に参加できる。
現在、スイセンは5分咲きで、満開は1月半ばの見込み。祭りは1月31日まで。