絵画や動物など、さまざまなものを描くアイシングクッキーを手がける菓子工房「糸」が12月8日、古いノリタケの器などでケーキやクッキーを楽しむティーパーティーを「kazemachi shimoda(風まち下田)」(下田市武ガ浜)で開いた。
パーティーを主催した菓子工房「糸」の糸賀まりのさん(関連画像4枚)
地元出身の糸賀まりのさんが運営する同工房は、下田外浦地区に構える拠点でオーダーメードのアイシングクッキーやケーキを手がけている。糸賀さんは高校卒業後に東京の専門学校で菓子作りを学び、下田東急ホテル(五丁目)などでパティシエとして腕を振るってきた。
出産を機にスイーツアーティストとして独立。口コミやSNSなどを通じてオーダーメードでのアイシングクッキーやデコレーションケーキ作りに取り組み、そのアート性の高い作品は、CDジャケットを飾るアイテムとして使われたり、ファッション冊子で紹介されたりしている。「見て楽しいだけでなく、食べてもおいしく安心なものを作るため、色付けは全て天然由来のものを使っている」と糸賀さんは話す。
今回のパーティー開催のきっかけは、風まち下田オーナーの妻・津留崎徹花さんから「母から譲り受けた古い食器を活用できないか」と提案を持ちかけられたことだった。皿から得たインスピレーションを元にしたデザート作りに加え、「以前から取り組みたかった」という空間コーディネートにも挑戦。テーブルクロスや小物など細部にもこだわったパーティー会場を作り上げた。「理想とする結婚式会場をイメージした」と糸賀さん。
当日は13時スタートと15時スタートの2回に分けて、それぞれ6人を迎えてティーパーティーを開催。糸賀さんはパティシエ経験を生かして作ったガトーバスク、ヴァシュランフレーズ、ベリーのフラワーケーキなどを振る舞った。得意とするアイシングクッキーも、皿の柄を元にしたデザインのものや、土産用のものを用意した。
市内から家族で参加した小池貴之さんは「すてきな空間とお菓子を前に、初めて会う人とも話が盛り上がった。まさにティーパーティーといった雰囲気を楽しめた」と話す。
開催後、糸賀さんは「ずっとやりたいことを詰め込んだ時間となり、とにかく楽しかった。参加者同士が器の話で盛り上がる姿も見られた」と振り返る。さらに「これからもかわいいお菓子と空間作りを通じて、より多くの人に温かい気持ちになってもらいたい」と意欲を見せる。