東京学芸大学の学生たちが地域の課題に触れるフィールドワークが12月7日・8日、下田市と「Kazemachi SHIMODA(風まち下田)」(下田市武ガ浜)協力の下で開催された。同大生16人と下田高校の生徒7人が参加し、共に下田の課題について学び議論を行った。
同フィールドワークは、JICA研究所研究員の野口扶美子さんが講師を務める「世界の環境問題」の授業の一環で行われたもの。授業で学んだ気候変動や人口減少などの地球規模の課題が、各地域にどのような影響を与えているかを考えるために、実際に地域で活動している人々の声を聞き、新しい発見や持続可能性を探ることを目的とする。
3年前、家族の仕事がきっかけで下田に通い始めた野口さん。「下田市のSDGsの取り組みなどに触れ、東京の学生への学びの機会になると感じていた」と話す。風まち下田オーナーの津留崎鎮生さんとの出会いをはじめ、下田の人々の温かさに触れたことも後押しとなり、学生たちを連れた宿泊を兼ねたフィールドワークを下田で実施することを決めた。
学生たちは、ジオスポットとの結びつきや観光をテーマにする「海」、獣害や人口流出に伴う担い手の不足をテーマにする「山」、一次産業や実際の商売をテーマにする「街」の3つのグループに分かれ、それぞれの課題を地元プレーヤーたちの協力を得ながら調査を行った。
下田漁港での水揚げ見学やビーチクリーンでは、学生たちが地域事業者に質問しながら下田市の実態について理解を深めていった。終盤には下田高校の生徒と協力しながら、下田の課題解決につながるアイデアについてグループディスカッションを行い、江田邦明下田市議会議員らの前で発表を行った。
参加した同大教育学部1年の吉吉遥生(きちよしはるき)さんは「下田という地域に触れてみることで、人口減少や地球温暖化などの課題がとても身近に感じられた。地域で活動する人たちと直接関わることができたのも良かった」と振り返る。