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下田でワーケーションカー使ったモニターツアー 外来植物駆除のエコ体験も

mobicaでのワーケーションを楽しむ参加者(写真提供=花崎寛太)

mobicaでのワーケーションを楽しむ参加者(写真提供=花崎寛太)

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 「伊豆まるごとオフィス 下田編」が12月5日~7日、「WORK×ation Site 伊豆下田」(下田市三丁目)などを拠点に開かれ、14人の県外在住者が下田でのワーケーションやエコツーリズムを体験した。

入田浜海岸での集合写真(関連画像8枚)

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 社内にワークスペースを完備したワーケーションカー「mobica」や、伊豆での交通や観光を便利にするデジタルサービス「伊豆navi」を使いながら、下田を中心とする伊豆南エリアで2泊3日を過ごすという今回の企画。初日夜の懇親会以外の過ごし方は基本的に自由だが、3日目には環境に配慮しながら、その地域の文化に触れる「エコツーリズム」の要素を取り入れたツアーも企画した。

 企画運営したのは、東伊豆と渋谷を拠点に地方創生に取り組む「micro development」(東伊豆町稲取)。同社は首都圏のオフィスワーカーと伊豆をつなげる事業にも取り組んでおり、今年7月には東伊豆町でもmobicaと伊豆naviを活用したワーケーションモニターツアーを実施した。同社の花崎寛太さんは「下田市の豊かな自然環境に触れながら、市の抱える環境問題の現状について知っていただき、自分事として捉えるきっかけになれば」と話す。

 ツアーに参加したのは14人。20~50代の個人事業主が特に多く、家族連れで参加する人たちの姿も見られた。mobicaでのワーケーションについて、参加者からは「日常に取り入れたら気分が上がりそう」「ハイエースの車内では4人で作業ができるので、チームでのワーケーションに活用できるイメージが湧いた」などの声が聞かれた。

 初日の懇親会では、地元の老舗すし店「美松」(二丁目)4代目で、ケータリングすしサービスを展開する植松隆二さんが、ブダイを使ったすしなどを提供した。ブダイは海藻が著しく減少し、漁業にも大きなダメージを与える磯焼けの原因の一つともいわれている魚で、下田市の環境問題にも触れながら交流を深めた。

 3日目は入田浜海岸(吉佐美)沿いで、環境省の生態系被害防止外来種リストに選定されている植物「ランタナ(和名=シチヘンゲ)」の駆除体験を行った。参加者は「リアルサーフショップ」(吉佐美)の鈴木直人さんらの指導の下、ピンクと黄色の花を咲かせるランタナを根元から伐採。伐採後の土には、在来種でユリ科の多年草ハマユウの球根を埋めた。参加者は「作業していると暑い」「ゲーム感覚で意外と楽しい」と会話をしながら作業に取り組んだ。

 鈴木さんは参加者に向け、「自然環境の保護や美化に役立つプログラムになった。今後、入田浜に来た際には、ぜひハマユウの生育状況を気にかけてほしい」と呼びかけた。

 イベントを終え、下田市観光交流課の山本海里(かいり)さんは「体験プログラムを組み込むことで、参加者同士の交流がより深まったのでは。今回のツアーが下田市への再訪につながれば」と期待を込める。

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